第2節 事務の在り方の変化
第1節で述べたようなネットワーク化に伴う社会の変化への対応や、ネットワーク活用による地方公共団体の機能の高度化によって地方公共団体の事務の在り方についても変化してきている。
1 事務の簡素化・効率化
国の機関をはじめとして、行政事務の流れはペーパーベースによる情報の管理からネットワークを駆使して電子化された情報の管理へと移行している。
地方公共団体においても行政情報化への取り組みとして、文書管理システム導入などによる事務の簡素化・効率化や、庁内LANなどのネットワークを活用することにより、それまで部署内のみにとどまっていた情報を共有資源としてネットワーク上で元管理して有効活用すること、また、電子メールや電子掲示板などの機能を活用して情報伝達の迅速化とコミュニケーションの活発化が行われている。
更に先進的な団体においては、業務効率や施策の質の更なる向上を目指して、決裁文書や統計数字だけでなく、業務に必要な細かな情報や蓄積された個人のノウハウに至るまでネットワーク上で幅広く共有し、活用する試みも行おうとしている。
このように、ネットワークの活用により従来の事務の簡素化・効率化が進展してきている。
2 事務の内容の変化
上述したような事務の簡素化・効率化に伴って、地方公共団体の職員が処理する事務の内容についても変化が生じてくる。
従来型の大量の情報を処理する「情報処理型」の事務から、少量・多種多様・非定型の業務においても、ネットワーク上にある情報をいかに効率的に見つけ出して活用していくかということが問われるように内容の変化が起こっている。また、事務処理システムについても、自己完結型で終わらせるだけでなく、個人や部署内で処理した事務処理内容や、発見した情報をいかにわかりやすく加工し、広く公開・発信して内外の活用に役立てることができるか、という「情報創造・活用型」の事務へと事務内容の質的なシフトが進行している。
一方、統計事務による数値更新など定型的な業務は機械による処理へと移行が進むとともに、ネットワークを利用した広範な情報収集が実現することにより、意思決定の迅速化が進んでいる。