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3 情報化人材育成の課題

(1)カリキュラム体系化の課題

情報リテラシーについては、操作的な知識、情報科学的な知識、法律やモラルについては、体系的に学習することは可能であるが、その他の内容については到達度別に細分化したりするカリキュラム化が困難であることが問題である。体験から帰納的に会得する場合が多く、そのような機会を多く与えることが効果的と考えられる。そこで学校教育においては、国語、社会、数学という様々な教科の中で情報活用を行うことで総合的に学習することも行われている。一般の情報リテラシーの向上においても様々な業務や生活の中で体験的に行うことが効果的であるといえる。

 

(2)指導者の課題

先に述べたように情報リテラシーの体験的かつ帰納的な学習を指導する場合、指導者は必ずしも情報の専門家である必要はない。逆に普段から業務や生活で多くの有効な情報活用を行っている人物であれば、誰でも指導者になることが可能であり、いつもプログラムを作成している人物が良い指導者であるとも限らない。更に良い情報活用の事例があれば、自習も可能である。すなわち、情報リテラシーの指導者とは、自らも常に情報活用を行っており、常にそのための環境を整えることを行える人物である必要がある。

 

(3)環境の課題

情報リテラシーの向上のための環境とは、20頁で述べた1]〜4]についても普段から接することのできるものである。具体的には、ネットワークに接続されたコンピュータが手元にあり、その中には業務や様々な情報活動で使用する応用ソフトウェアや情報を交換・共有するためのネットワーク・ソフトウェアが用意されていることである。また、ネットワーク上には情報を交換・共有するコミュニティなどが造られている必要がある。

 

 

 

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