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2 情報化人材育成の目標

さて、上記の情報化の変化に応じて、人材育成についても議論されてきた。第一世代の情報化人材育成の中心は、コンピュータ専門技術者の養成ということであった。どのような企業・機関においても情報処理部門が必要とされ、そこではコンピュータの原理の知識、ソフトウェア設計を含めたプログラミング、管理運用技術などを習得した人材の育成が重要視された。

第二世代の情報化では、コンピュータ・リテラシーという言葉が生まれ、「読み・書き・そろばん」と並び、コンピュータが人材育成の基礎と考えられた。具体的には、タイピングから始まり、OSの操作、ワープロなどの応用ソフトの操作能力などが、情報処理部門以外のすべての人々にも教育されるようになった。しかし、このような教育の中で、コンピュータの活用ではなく、業務の問題解決において応用ソフトを用いて情報をどのように活用して解決できるかということこそが情報化時代の真の能力ではないかという考え方が生まれてきた。「情報活用能力」いわゆる「情報リテラシー」である。この考え方は第三世代の情報化で、より重要と考えられるようになった。

第三世代の情報化では、電子メールやWebブラウザの使い方の知識ではなく、それを用いてどのように情報を収集・分析するか、また、情報をどのようにデザインし、発信するかといった能力の育成やインターネットなど様々な情報源に接触する中、いかに正確な情報を収集できるかという情報自体の真偽を判断する能力の育成も重要視されている。

このような考え方として、文部省では1991年に「情報教育の手引き」において「情報活用能力」を以下のように具体化し、以降の情報教育の骨子としている。この内容は学校教育だけでなく、広く情報化人材育成を行う上での目標としてよいと思われる。

 

1]情報の判断、選択、整理、処理能力及び新たな情報の創造、伝達能力

2]情報化社会の特質、情報化の社会や人間に対する影響の理解

3]情報の重要性の認識、情報に対する責任感

4]情報科学の基礎及び情報手段(特にコンピュータ)の特徴の理解、基本的な操作能力の習得

 

 

 

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