4 情報リテラシーを向上させるための組織的対応
情報化研修の位置付けやネットワーク利用の規則化などの仕組みづくり及び全職員の情報リテラシーを向上させるためには、各団体の人材の現状に対するマネージメント層の危機感が必要であり、各団体の戦略に基づく人材育成の在り方を考え、実行する必要がある。と同時に、統合的な研修を推進していくためには、「どの部署が、企画し、推進するか」という組織的な対応が必要である。一義的には職員研修の担当部署を中心に情報管理主管部門や企画部門などが連携して、その任に当たることが考えられるが、その場合には、情報管理主管部門などは、従来の情報化関連業務に加えて、情報政策や人材育成を推進するための新たな役割を担うことになると考えられる。また、将来的には複数の地方公共団体が連携してこの任に当たることも考えられる。
これらマネージメント層の戦略とこれを実現する組織が両輪となって、職員の意識改革を図るために、情報リテラシー向上を推進し、研修などを総合的に支援することで職場風土の変革や全庁的にバランスのとれた情報化人材育成が可能になると考えられる。
まとめ
以上のように職員の情報リテラシーを向上させるには、新しい研修手法の導入を検討するだけでなく、組織内での情報リテラシーに対し、共通の認識を持ち、情報リテラシー向上をサポートする組織・体制づくりが不可欠である。
また、各地方公共団体において、職員の情報リテラシーに対する意識の変革はマネージメント層や情報化を推進する部署の舵取り如何にかかわってくるものである。そして、すべての職員が情報リテラシー向上の重要性に対する認識を持ち、育成した能力を活用することによって、より効果的な住民への高度な行政サービスが可能になるのである。
