地方公共団体職員に求められる情報リテラシー(第3章)
ここでは、地方公共団体職員に求められる情報リテラシーの内容を述べる。
1 情報リテラシー向上の必要性と意識改革
ネットワーク化により社会全体での情報流通が活性化する中で、地方公共団体のみがそうした動きに加わらない弊害は大きい。地方公共団体がネットワークに対応しないと、住民や民間企業の活動の自由度を大きく制約することになる。更に、こうした不利益は、地方公共団体自身も被ることになる。ネットワークは住民などに対して情報を発信したり、情報交換を行うためには効果的であるが、ネットワーク化に対応していなければ、住民などと協調する手段の一つを失うことになる。
また、地方公共団体内部でも、文書の電子化やネットワーク活用などによって情報の共有化、事務の効率化を進めなければならない。ネットワークを通じた外部との情報流通は、内部のネットワークの充実と相まって、初めて活発化される。このように、外部との情報流通を効果的に実行するためには、個々の職員の努力のみならず、マネージメント層を中心とした地方公共団体の組織としての取り組みが不可欠である。
更に地方公共団体では、縦割り組織を前提とした業務の在り方や情報共有の在り方についてマネージメント層を含む職員の意識を改革していくことも地方公共団体の機能を高めるためには欠かせない条件である。
収集した情報は、自分一人で囲い込むという意識のもとでは、情報共有を実現することはできないし、更に、公開しようとする職員を理解し、支援する管理職の存在も不可欠である。また、情報から問題を発見し、解決していくためには、自ら行動し、インターネットなどの情報源に接触し、能動的に情報収集を行わなければならない。
このように地方公共団体がネットワーク化の進展に対応するためには情報リテラシーの向上とともに、職員の意識改革を行うことが不可欠である。
2 情報リテラシーの内容
(1)コンピュータ及びネットワークの操作能力
コンピュータ及びネットワークの操作能力は、操作技術が含まれることは明らかであるが、単なる操作技術だけでなく、ネットワーク社会においてはウイルス対策などのセキュリティ、ソフトウェア・コンテンツの著作権についての知識などが必要である。