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3.4.4 試験片吊り下げ架台(ホルダー)の改良(写-12〜14参照)

還流冷却器からの液垂れが気相中試験片にあたったので、ホルダートップのガラス製防護傘のサイズを大きくして気相中試験片に還流器からの戻り液が当たらないようにした。また、試験片ホルダーの直立安定性を増すために、脚部素材を太く、足を横に広く出した。

 

3.5 単純な酸・アルカリ試験液を用いた試験実施結果(写-17〜50参照)

 

3.5.1 要旨

試験方法の評価の基準として、単純な酸・アルカリ性液体における金属腐食試験を実施し、基礎的腐食データを集積すべきとの部会指示に基づき、皮膚腐食性の有無を考慮せず、試験方法の検討用物質として下記の試験液を選択し、試験を実施した。

 

3.5.2 リン酸溶液(10 V/V %)(写-17〜18参照)

(1) 鋼試験片(写-17参照)

1]試験終了時の状態:液中鋼試験片は落下し、反応生成物が堆積した

2]試験片の状態:腐食度大、錆除去不能状態

(2) アルミニウム試験片(写-18参照)

1]試験終了時の状態:付着した錆が落下せず、袋状に覆っているが内部より反応による気泡が出ている。

2]試験片の状態:錆が試験片を離れずにカバー状に付着している状態

 

3.5.3 硝酸溶液(3 V/V %)・(資料-No.2参照)

(1) 鋼試験片(写-19・21・23・25参照)

1]試験終了時の状態:錆が試験容器全体に充満し、中は確認できない状態であった

2]試験片の状態:3層の試験片すべてに強固な錆が糊着していた

(2) アルミニウム試験片(写-20・22・24・26参照)

1] 試験終了時の状態:反応は継続し、見かけ上きれいに進行している。反応継続に伴う気泡が確認された。

2] 試験片の状態:気相中試験片の表面の腐食状態が目立った

 

3.5.4 塩酸溶液(3 V/V %)・(資料-No.2参照)

(1) 鋼試験片(写-27・29・31・33参照)

1]試験終了時の状態:錆が試験容器全体に充満し、不透明に近い状態であった

2]試験片の状態:気相中試験片は黒錆の糊着状態、液中部分の試験片は表面が溶け、うっすら鉄錆が浮いている状態であった。

(2) アルミニウム試験片(写-28・30・32・34参照)

1] 試験終了時の状態:反応は継続し、見かけ上きれいに進行した。反応継続に伴う気泡が確認された。

 

 

 

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