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(5) 個品運送の海洋汚染物質(MARINE POLLUTANT)

MARPOL 73/78条約(1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書)附属書III(以下「附属書III」という。)は、容器に収納され、また、コンテナ等に収納された状態で海上運送される有害物質による汚染を防止するための規則を定めているものであり、内容的には、1]その容器及びコンテナ等の要件、2]収納物が海洋環境に悪影響を及ぼす物質であることを容器及びコンテナ等に明示する表示方法(MARINE POLLUTANTOマークの表示)、3]運送に際しての必要書類、4]容器及びコンテナ等の適当な積載方法等について規定されている。

附属書IIIは、1992年7月1日発効したが、発効と同時に改正され、適用対象となる有害物質を「IMDGコードにおいて『MARINE POLLUTANT』と明示されている物質」と定義し(各クラスのいわゆる「危険物」のうち、それぞれの危険性のほかに海洋環境に悪影響を及ぼす性質を有する物質を「海洋汚染物質」としている。)、さらに、容器及び包装、標札等の表示方法、書類の作成等個々の運送要件については、その詳細をIMDGコードの各規則(海洋汚染物質、容器、表示及び標札、書類、積載方法等それぞれについて定めた総則)及び個々の物質の容器・積載方法等の運送要件について定められている個別スケジュールに委ねるかたちとなった。

 

4.4 危険物運送に関するその他のIMOのコード

IMDGコードは、危険物を容器に入れ包装して運送(個品運送という。)する場合の要件を定めたものである。一方、危険物のばら積み運送について IMOは、固体、液体及びガスそれぞれについて運送要件を定めている。固体については、Code of Safe Practice for Solid Bulk Cargoes(BCコード ; 固体ばら積み貨物に関する安全実施規則)があり、液体危険物のばら積み運送は International Code for the Construction and Equipment of Ships Carrying Dangerous Chemicals in Bulk(IBCコード ; 危険化学薬品のばら積み運送のための船舶の構造及び設備に関する国際規則)によることとしている。液化ガスに対しては、International Code for the Construction and Equipment of Ships Carrying Liquefied Gases in Bulk(IGCコード ; 液化ガスのばら積み運送のための船舶の構造及び設備に関する国際規則)が定められている。

4.4.1 BCコード

このコードは、浮遊選鉱により得られる精鉱その他の航海中に液状化するおそれのある微細な貨物、化学的危険性を有する固体物質(危険物)のばら積み運送、MHB (Material Hazardous only in Bulk ; ばら積み時のみ危険となる物質)及び船体傾斜により容易に移動するおそれのある貨物の運送要件を定めたものである。

危規則の固体危険物のばら積み運送に関する規定は、この BCコードの一部を採り入れたものである。

 

 

 

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