2.3.2.1 液化ガス物質であるかどうかの確認方法と手続き
[手順-1]
◎液化ガス物質であるかどうかを確認する。
液化ガス物質とは、「摂氏37.8度で0.28メガパスカル(2.8kgf/cm2、絶対圧力)を超えるガス圧力を持つ液体」である。
★0.28メガパスカルを超えていれば[手順-2]以降の確認を行う。
★0.28メガパスカル以下であれば「液体化学薬品等」に該当するかどうかを確認する。
[手順-2]
◎既に船舶の構造要件等が定められているかどうかを確認する。
既に船舶の構造要件等が定められている液化ガス物質の品名は、「船舶による危険物の運送基準等を定める告示(以下「危規則告示」という。)」の別表第8の2に示されている。
★記載されていない場合は、同表「その他の液化ガス物質」に該当するので、以下の手順で手続きが必要である。
[手順-3]
◎運輸省通達海査第407号による事前査定申請を行う。
海査第407号は「液化ガス物質」、「液体化学薬品」又は「有害性液体物質」であって、構造要件等の定められていないものに必要な運輸大臣の許可又は指示を得るための手続きを示したものである。
★事前査定申請は「荷送人(荷主)」が行うことが望ましい。
運輸大臣の許可又は指示を得るための申請者は船舶所有者であるが、この手続きの際添付する物質データ表等が不備であると審査に支障をきたすおそれがある。
そこであらかじめ物質評価に関する「事前査定申請」を「荷送人(荷主)」が行い、「事前査定結果通知書」の交付を受け、これを添付して船舶所有者が許可等の手続きを行うと、3週間程度で許可書又は指示書が交付される。(事前査定を受けていない場合の標準事務処理期間は4ケ月である。)
★[申請に必要な書類等]
1) 事前査定申請書
2) 物質データ表及び物性を説明する資料
3) 運送計画書
申請書等の様式はいずれも通達中に示されている。
申請先 : 船積地を管轄する地方運輸局経由で海上技術安全局長
[注意事項]
1. 物質データ表は、物性、化学的性質、燃焼性、危険な生物学的作用(毒性等)等記載項目が多岐にわたっており、場合によっては試験の実施が必要である。
従ってばら積み運送の可能性のある物質については、日頃からデータ整備を行っておくことが運送計画を円滑に進める上で重要なポイントとなる。
(一般的に製品安全データシート(MSDS)が作成されているのでこれを活用する。)
なお、円滑に査定を受けるには、あらかじめ(社)日本化学工業協会と相談することが望ましい。
2. 地方運輸局内に船積地を管轄する支局がある場合は、支局経由で申請すること。