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4. 危険物輸送書類

 

4.1 第5.4章の改正

4.1.1 危険物輸送書類を全ての輸送モードに適用できる統一したものとするため、モデル規則の輸送書類関連規定(第5.4章)の改正に関する検討は、米国提案(99/58)を基礎資料としてDrafting Groupにおいて行われ、同グループの検討結果に基づき同提案が修正の上採択されたが、輸送書類関連事項については次回継続して検討されることとなった。

4.1.2 第5.4章規定案以外の危険物輸送書類についての主たる検討結果は次のとおりである。

(1) 米国が99/58において提案していた24時間連絡可能な緊急応答電話番号の記載は、わが国をはじめ多数の国が反対したため、同国は本件を別提案として次回以降に提出するとした。

(2) 輸送書類の記載順を”UN No.”→”品名”→”Class”等とすべきだとするオランダ提案(99/91)は不採択となり、現行記載順序(”品名”→”Class”→”UN No.”等)とすることとなった。

 

5. 危険物輸送モデル規則関連改正

 

5.1 危険物の分類

5.1.1 新エントリーの追加、品名の変更、物質の要件の改正等、危険物の分類に関する提案の検討結果は、資料UN2S4-4に示したとおりである。

5.1.2 エアーバッグの新エントリーの追加に関するドイツ提案(99/94)は、同国からの要請によりその検討を次回会合に持ち越した。

 

5.2 リチウム電池

5.2.1 リチウム電池関連規定の改正に関する日本/カナダ提案(99/73)は、国連事務局へ提出(1999年9月21日)したものの内容が不十分であったので提出後に関係者が会合を持ち、この提案の修正版を作成しINF.7として議場配布された。本会議にはINF.7及びこれに対するフランス意見(INF.20及び21)に基づき検討がなされた。

5.2.2 本会議での検討に先立ち、本提案の取り扱いについて小グループでの検討が行われ、その検討概要は次のとおりである。

(1) INF.7を現時点で検討資料とするのは時期尚早である(USA)。

(2) 本件提案(INF.7を含めて)作成過程(Corp. Groupでの検討方法)が不明瞭である(USA)。

(3) INF.7の提案趣旨には賛成できる(F、NL及びDE)。

(4) ロサンジェルスにおけるリチウム電池に関連する事故米国事故調査委員会(NTSB)の調査結果に基づく対応が必要であり、提案内容に賛成できない部分がある(USA)。

(5) INF.7に基づき次回会合に提出する修正提案作成のため会期外(2000年3月)検討部会を開催する(CA)。

5.2.3 本会議では日本/カナダ修正提案(INF.7)に対する具体的検討は行われず、本件に関する一般的意見として米国及びフランスから次の趣旨の発言があった。

(1) 米国は、リチウム電池関連規定は前回委員会(1998年)で改正されたばかりであり早急に改正する必要性はなく、次期2年間の検討事項としてもよいとの考えを表明した。

この意見に対してカナダは賛意を示した。

(2) フランスは、同国におけるリチウム電池利用計画(殊に自動車用電池としての利用)が国連勧告規定のあり方に係ることから、本提案に対して若干の修正意見はあるものの本件検討は可及的速やかに行うべきであるとの意見を述べた。

 

 

 

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