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別紙1 各種試験方法とばら積み貨物に関係するパラメータ

 

R.1.1 一面剪断試験

一面剪断試験とは、図R.1.1.1に示したように、供試体に直圧力を作用させた際に供試体を剪断するのに要する力を計測する試験である。直圧力を変化させて試験を行うことにより、図R.1.1.2に示すように、試料の剪断抵抗角(一面剪断試験により計測した内部摩擦角)及び粘着力が得られる。試料の剪断強度(抵抗剪断応力)は剪断抵抗角(または係数)及び粘着力で表すことができる。

 

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図R.1.1.1 一面剪断試験の原理

 

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図R.1.1.2 一面剪断試験結果

 

本研究で用いた装置は、図R.1.1.1のように重錘により供試体の上面から直圧力を作用させ、剪断箱の下部(下箱)を駆動し、剪断箱の上部(上箱)を拘束するのに要する力を計測するものであるが、他にも、供試体の下面から直圧力を作用させ、上箱を駆動し、下箱を拘束するのに要する力を計測するもの(三笠式)もある。

図R.1.1.3に示すように、供試体内のある面が滑りと起こすか否かは、微視的には、その面に作用している剪断力が、その面に作用している直圧力に応じた抵抗剪断応力より小さければ滑りを起こさないと言える。

 

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図R.1.1.3 抵抗剪断応力と滑りの有無

 

試料の粘着力及び剪断抵抗係数を計測する方法としては、他にも三軸圧縮試験がある。一面剪断試験は剪断面が予め定められているため、供試体の最も弱い部分が破壊する際の力を計測できないという欠点があるのに対して、三軸圧縮試験は、供試体の最も弱い部分が破壊する際の力を計測できる。一方、三軸圧縮試験は一面剪断試験よりも手間がかかり、試験に長時間を要する。なお、本研究では三軸圧縮試験は実施していないが、過去の研究により、本研究で用いた一面剪断試験結果は、ニッケル鉱については三軸圧縮試験結果と良く一致することが確かめられている。

 

R.1.2 円錐貫入試験

円錐貫入試験とは、住宅を建てる前等に実施される地盤の強度の調査(地耐力調査)で良く用いられる簡便な試験である。

 

 

 

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