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ニッケル鉱荷崩れ評価試験法マニュアル(和文)

 

1 目的

ニッケル鉱は多くの水分を含むと、剪断強度が低くなり、ばら積み船の船倉内に形成されたニッケル鉱のパイルは荷崩れを起こすことがある。荷崩れを防止するため、多くの水分を含むニッケル鉱は船積みしてはならない。ニッケル鉱の剪断強度は、本試験法により、荷崩れの危険性の観点から評価できる。

荷送り人または船長により、航海中のニッケル鉱の荷崩れが懸念される場合には、船積みに先立って、当該貨物に本試験法を適用してみることが推奨される。試験は付録に示す詳細手順に従って実施すること。

評価においては、貨物のパイルは可能な限り平坦に荷繰りされていることが想定されている。想定された貨物のパイルの斜面の幅及び高さは、それぞれ7 m及び5 mである。船体運動としては、30度の静的横傾斜が想定されている。

本試験法は、ニッケル鉱以外の固体ばら積み貨物には適用できない。

 

2 用語

試験法の説明ため、 以下の用語を以下の意味で用いる。

.1 「元の試料」とは、篩い分けされていないニッケル鉱の試料を意味する。

.2 「篩下試料」とは、篩い分けにより得られる最大粒径19 mmの試料を意味する。

.3 単に「試料」と言った場合、元の試料と篩下試料の両方を示す。

.4 「供試体」とは、試験容器に挿入され、締め固められ、カラーを外した試験容器の縁に沿って上部を平坦に切り取られた篩下試料を意味する。

.5 「篩」とは、3.2節に述べられている篩を意味する。

.6 「試験容器」とは、3.3節に述べられている容器を意味する。

.7 「カラー」とは、試験容器の取り外し可能な延長部を意味する。

.8 「円筒部」とは、カラーを除いた試験容器の円筒形の部分を意味する。

.9 「底板」とは、試験容器の底板を意味する。

.10 「突固め用ランマー」とは、3.4節に述べられている締め固め用の用具を意味する。

.11 「ランマー」とは、突固め用ランマーの部分を意味する。

.12 「ストレートエッジ」とは、供試体の体積を調整する目的で試験容器の上の余分な試料を除去するための、金具を意味する。

.13 「試料抜き取り装置」とは、3.5節に述べられている試験容器の中の試料を取り除くための装置を意味する。

.14 「円錐貫入試験装置」とは、3.6節に述べられている装置を意味する。

.15 「円錐」とは、円錐貫入試験装置の一部を意味する。

.16 「貫入深さ」とは、円錐を供試体に貫入させる際の、カラーを外した状態の試験容器の縁から円錐の先端までの深さを意味する。

.17 「円錐貫入試験」とは、4.5.2節に述べられている試験を意味する。

.18 「円錐貫入力」とは、円錐貫入試験において円錐を供試体に貫入させるのに要する力を意味する。

.19 「最大円錐貫入力」とは、一回の円錐貫入試験により得られる円錐貫入力の最大値を意味する。

.20 「代表円錐貫入力」とは、一つの篩下試料について三回の円錐貫入試験を実施することにより得られる三つの最大円錐貫入力の最小値を意味する。

 

 

 

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