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ii 審議概要

ノルウェーから、提案文書に基づき、1]HSCは加速度の影響が強く固縛要件が十分でない、2]IMDGコード等運送要件を強化したとしてもHSCによる危険物の輸送がそもそも適切であるか否か疑念があることなどから、少なくとも旅客HSCについては危険物の輸送を禁止すべき旨提案がなされた。

当該提案に対し日本から1]HSCによる危険物の運送は、現行SOLAS第VII章及びHSCコードを満たせば認められており、当該提案に基づき危険物の輸送を禁止すれば、当該輸送活動を阻害する恐れがある、2]強制規則の策定には技術的な問題点等十分な情報を検討し有効な手段を検討すべきことから現時点では反対である旨発言した。

仏は本件に関しては慎重な検討をすべきとし、英は、1]当該提案にはコンペリングニーズ、解析データが十分でないこと、2]DSC 4が既に防火規定の関連で、DSCが十分な検討を実施し、適切な措置を勧告するまでは少なくとも旅客HSCによる危険物の運送を禁止するべきであることをDE小委員会に勧告したことについては十分な議論を踏まえていないこと等からHSCによる危険物の輸送に対する規制については十分な検討を必要するとし、蘭、バハマ、マーシャルアイランド、バングラディッシュが英を支持した。加えて韓がノルウェー提案に反対した。

これに対して、独は、前述のDSC 4の勧告があること等からノルウェーを支持した。ベルギーは、安全側の措置を行うことが重要であるとしノルウェーの提案を支持し、フィンランド、ギリシャ、スウェーデン等が同様に支持した。

米はここまでの議論を踏まえ、新HSCコード案(DE 43/5参照)7.17規則以外は、HSCによる危険物の輸送は"competent authority"の承認に基づくこととしてはどうかと提案し、英は米に原則賛成するも主管庁裁量としてはどうかと提案した。

また、日本から新コードの適用はSOLAS第X章の規定により新船適用となっており、新HSCコード上に危険物の運送に関する要件を新たに規定する場合、現行コード適用HSCに当該運送要件を課するためSOLAS第X章を改正する必要がある旨言及した。また、論点を明確にするため事務局に対し、現在DE小委員会で作業中の新コード案の危険物輸送に関連する部分の文書を作成することを求めたところ了承された(DSC 5/J/3)。

 

 

 

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