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[審議の概要]

(1) 議題の採択(議題1関連)

会議に先立ち事務局長オニール氏から開会の挨拶が述べられた。国連勧告との調和作業を含むIMDGコードの第30改正及び当該コードの様式替え作業が最優先課題であり、MSC 72での承認のため今会合で作業を終了しなけらばならないこと、今般、"maritime community"が懸念を示している次亜塩素酸カルシウムの運送に関する対応、固体ばら積み貨物の液状化評価を含むBCコードの見直し等が優先度の高い課題であることなどについて言及された。また、INFコード強制化様式及び当該コード強制化のためのSOLAS第VII章改正がMSC 71及びMEPC 43で採択され、2001年1月1日に発効することが周知された。

なお、暫定議題については事務局案どおり採択された。

(2) 他機関の決定(議題2関連)

事務局より、DSC 5/2に基づき、DSC小委員会に関連する、SLF 42、DE 42、BLG 4、MSC 71、MEPC 43及びFAL 27の検討結果等が報告された。また、本報告のうち、SLF 43(本年9月開催予定)で最終化される「コンテナ船に装備されている部分風雨密ハッチカバーに関する勧告」及びDE 43(本年4月開催予定)で最終化される「HSCコードの見直し」に対し、文書(DSC 5/2/1(日)及びDSC 5/2/2(ノルウェー)が提出されていることが報告され、本議題の下で審議することとなった。

a 日本提案について(DSC 5/2/1)

本件をどの議題の下で審議するか若干の混乱があったが、当初の予定通り議題2(他機関の決定)において審議された。日本は提案文書DSC 5/2/1に基づきMSC 67/19/9(フランス)にて提案された危険物の隔離・積載要件に対しオープントップ船と同一の要件を課すのは不合理であり、部分的とは言え水密ハッチカバーを持つのであるから独自の要件を課すべきであるとの提案を行った。フランスは、提案を行ったのは4年前の事であり、その後技術の発展や実際の運航に基づく経験も得られた事から、部分的水密ハッチカバーを持つコンテナ船の危険物輸送に関する要件を見直す事は必要であると述べ日本提案を支持した。フランスに引き続きギリシャ、キプロス、バングラディシュ、シンガポール、独、韓国及びICS、IACSも日本提案を支持した。

今後の作業予定について次の通り合意された。

i 次回会合で審議するため、関係国に提案及びコメントを提出するよう要請する。

ii SLF小委員会に本件に関する審議を完了しないよう要請する。

iii MSCに新しい議題として提案し作業完了目標2001年とするよう要請する。

b ノルウェー提案について(DSC 5/2/2)

i 経緯

DE 41からDSC小委員会に対して「HSCに対するSOLAS第VI章及び第VII章の適合性」について検討するよう要請された。(DE 41/17パラ5.19及びDSC 4/14パラ6.19参照)、これに関連しDSC 4においてFPで作業された防火規定を見ると、旅客HSCによる危険物の輸送の許可は適切ではないと思われるため、現段階では、DSCで本件に関して詳細な検討を行い適切な勧告を行うまでは旅客HSCによる危険物の輸送を禁止することをDE 42に勧告した。(DSC 4/14パラ6.20参照)DSC 5は、DEから現在作業中の新HSCコードに新たに加える点等検討しDE 43に報告することを要請されている。

 

 

 

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