ですから、日本が政治的な役割をより果たすということを―日本としてだめだよといってしまっては進まないわけで、どういう可能性があるか、外交を考えていくべきではないかなと私は思っています。
○モデレーター ありがとうございました。会場の方でどなたか、今の地域的なメカニズムの問題、あるいは外部からの関与の問題についていかがでしょうか。
○質問者-2 渡辺大使に伺います。
先ほど大使からASEANのご発言があって、多角的国際枠組み、今インドネシアのことで、日本だとかアメリカ、IMFといっていますけれども、考えてみれば多元的というのはそういうものの他に、例えばASEANというものをどう評価するか。その他にはNGOなどがあって、そういう意味で多元的といっているのだと思うのですけれども、インドネシアの問題でASEANが相互に助け合うというような話は出ないし、ASEANといってもアソシエーションの話ですから、それだけきちっとまとまっていないものを相手に外交の対象としてどのような評価を与えながら、ASEANというものを考えるべきか。
ASEANに域外国が出て初めて意義があるということもいえましょうし、APECあってのASEANということもいえるし、日本がASEANの1カ国と外交する場合に、マルチでやるか、バイでやるか、ユニでやるかという場合の一つとして、ASEANというものも考えるというようなことだと思うのですが、その辺のことを伺いたいと思います。
○モデレーター ASEANに関連して先ほど千野さんは、ASEANが求心力を失った、あるいは分化の方向へ動いているのではないかといわれ、白石さんは、ビルマ、あるいはカンボジアがASEANに入ったけれども、意味のない時期に入ったという趣旨のようなこと、同時にインドネシアが落ちこぼれてしまうかもしれないということもいわれたように思いますが、ASEANというものをどのようにみていくべきなのか。これからASEANはもう一度求心力を取り戻すのか、文字どおり求心力を失ったままで、何となくアソシエーションのままでいくのかどうか。そういう点について、4人の方のお話を伺えればと思います。
渡辺さんどうぞ。