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公開シンポジウム

『多元的国際枠組の役割』

平成12年2月15日 於:全日空ホテル

 

○モデレーター(大河原)  お待たせいたしました。定刻を過ぎましたので、ただいまから世界平和研究所が主催いたします公開シンポジウムを開催いたしたいと思います。本日は大変お寒い中を、また大変お忙しいところ、お時間を割いていただきまして、私ども世界平和研究所の「多元的国際枠組の役割」というタイトルのシンポジウムにご来場いただきましてありがとうございました。主催者を代表いたしまして御礼を申し上げたいと存じます。

私ども世界平和研究所は、今年度の研究活動の一環として「多元的国際枠組の役割」というテーマで幾つかの講演会を実施してまいりましたが、本日開催いたしますシンポジウムは、その一連の作業の締めくくりという性格をもっております。

経済の問題では、いわゆるグローバリーゼーションが非常な勢いで進んでおります中におきまして、国際的な協力関係やルールの構築、そして、それの実効性の確保というような重要な課題をもっておりますが、昨年の12月の初めにシアトルで開催されましたWTO閣僚会議は、そういう意味の立ち上がりの重要な場でありましたが、残念ながら、ご承知のとおりに凍結、あるいは交渉の決裂というような形で終わり、いつ、どのような形でこれから立ち上がることができるかということは、2000年という、政治、あるいは選挙の年に難しい課題になっているように思います。

また、つい先週の末に東京で開催されましたG7の蔵相・中央銀行総裁会議の声明では、国際通貨金融システムの強化がうたわれておりますし、また、アジア諸国の問題につきましては、「予想よりも早期かつ力強い景気回復を歓迎する」という表現のコミュニケが出されております。

1997年の夏にタイで始まりました、いわゆるアジアの通貨危機の際には、IMFが大きな役割を果たしたと同時に、種々批判の対象にもなりましたし、地域機構としてのAPEC、あるいはASEANなどが多元的な国際枠組みとして果たす役割の問題、それとの関連において、わが国が果たしてまいりました支援策、その他の役割に大きな注目が集まりましたが、まさにこのような状況の中で、政治的にも、経済的にも国際的な枠組みの設置が模索されている状況だと思います。

 

 

 

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