(2)簡易EDI
シンプル(簡易)EDIとは、電子取引を前提としたシンプル・ビジネス・プロセスに基づき、事前に取り決められているマスター・データ(商品カタログなど)を前提に、ビジネス情報として最小限のコア・データのみを交換し、中小企業にも導入が容易で且つ効率的な電子商取引を実現しようとするものです。また、ビジネス情報交換では、可能性が定義されている20%のデータ(コア・データ)で、80%のビジネス・トランザクションが自動化可能であるとの考え方を採用します。
このシンプルEDIは、英国のANA(Article NumberAssociation)から原案が提唱され、EANグループを中心に積極的に検討が進められています。もちろん、コア・データやマスター・データ、およびシンプル化されたEDIメッセージはUN/EDIFACTの範囲内で定義され、UN/EDIFACTディレクトリとの関係づけは必須です。すなわち、シンプルEDIはUN/EDIFACTのサブセットとして取り扱われます。
また、シンプルEDIではインターネットのWebページに標準的なフォーマットで情報を表示するため、標準電子フォームを提唱しています。標準電子フォームの検討では、その基本となるペーパー様式を国連標準様式(UN LayoutKey)とし、現行のペーパー標準で使用されているフィールドの電子データへのマッピングを検討すべきとしています。また、マッピングされた電子データは、インターネットWeb上の表示方法についても標準化の検討が必要となります。
シンプルEDIも電子フォームも、インターネットの最新技術、すなわちダイナミックHTML、XML、JAVAなどの採用の検討が必要であろうと考えられます。特に、XMLについては、事例としてDTDおよびXSLによるシンプルEDIメッセージのマッピングの分析もなされています。XML/EDIを採用するに当たっては、コア・データのデータ定義(セマンティック)がグローバルに共通使用されるリポジトリの必要性が指摘されます。もちろん、このリポジトリはUN/EDIFACTディレクトリとのブリッジを前提としなければならないでしょう。ただし、当該リポジトリを、どの組織がどのような方法で開発すべきかの具体論にはこれからの課題です。