8-3.日本貿易関係手続簡易化協会の電子化への関与
Q8-3-1:(財)日本貿易関係手続簡易化協会(以降JASTPROという)は、従来貿易手続の簡易化に取り組んできたと思いますが、貿易手続の電子化とどのように関連していますか。
JASTPROは、1974年(昭和49年)12月、大蔵、通産、運輸三省の支援の下に活動していた「貿易書式標準化委員会」(1971年2月設立)を発展的に改組して、UN/ECE/WP.450貿易手続簡易化勧告第4号「各国の貿易手続機関」に基づいて設立されたものです。
当初は、貿易書類の様式の統一・標準化を中心に調査研究および啓蒙普及活動を進めてきたが、近年は書式の標準化関連が一段落したため、主として貿易制度・手続そのものの簡易化や貿易手続のADP(Automatic Data Processing)化について検討を進めています。
UN/ECE/WP.4の下にはGE.151とGE.252という2つの専門家会議があり、GE.1が「データエレメントと自動データ交換に関する専門家会議」とGE.2の「手続と書類に関する専門家会議」として役割を分担して1960年代より活動を行ってきました。
最初のうちは、手続をできるだけ簡素化し、多種多様な書類のサイズとフォームをA4縦型に標準化するといったGE.2の作業にウエイトがあったが、コンピュータと通信の技術が進歩するに従って、伝統的なペーパ書類をコンピュータ間のデータ通信(現在の電子データ交換(EDI)に当たる)に置き換えるための試みがGE.1によりなされるようになってきました。そのための作業として、貿易関係の書類を集めてのデータエレメントの標準化作業が行われると同時に、そのデータエレメントを組み合わせてペーパ書類に代わる伝送フォーマットを組み立てるための構文規則(シンタックス規則)の開発作業が精力的に行われました。その結果、データエレメント集は、1986年に国際規格ISO 7372となり、シンタックス規則は、GTDIの時代を経て、ANSI ASC X.12をもベースとして1987年にISO 9735(UN/EDIFACTアプリケーションレベルシンタックス規則)となりました。当初のISO 9735は、バッチEDIのみを対象としており、その後のEDIの進展とユーザの要求に対応するために、国際規格化後10年を経てインタラクティブEDIやセキュリティなどを網羅する第4版が1999年に出そろいました。
50 UN/ECE/WP.4 - United Nations/Economic Commission for Europe/Working Party on Facilitation of International Trade Procedures(国連・欧州経済委員会・貿易手続簡易化作業部会)1997年3月よりUN/CEFACT(The Centre for the Facilitation of Procedures and Practices for Administration, Commerce and Transport:行政、商業、運輸の手続と実務簡易化センター)に改組された。
51 GE.1 - Group of Experts Meeting on Data Elements and Automatic Data Interchange
52 GE.2 - Group of Experts Meeting on Procedures and Documentation