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・しかし、その後ANSIX12の中に移行計画策定のための統合化委員会を設置、検討した結果、2つの規格が同時進行したとしても支障なく、従来の予想よりも長期間耐え得るものとの結論が出され、EDIFACTへの移行は緩やかなペースで進められることなった。

・他方、1996年に発効したFIPS-161-2 (連邦情報処理規格)は、政府調達等の政府関係EDIにANSIX12(国内EDI用)、UN/EDIFACT(国内/国際EDI用)、そしてHL7(ヘルスケアの特定分野のEDI用)の3つの規格をEDI、EC(電子商取引)のためのスタンダード・ファミリーとして推奨している。

●業界・企業グループ別実施状況:

・自動車業界:ビッグ3を中心とする自動車メーカー、部品メーカーおよび関連メーカー等(約3万社以上)がAIAGというグループを作り、EDIシステムの運営にあたっている。1997年AIAGは、ヨーロッパのODETTEとの連携のためにUN/EDIFACTへの移行を決定した。また、GMHA、米国および欧州における社内外のEDIにUN/EDIFACTを採用、実施している。

一方、NEMAが核となりGE社のネットワークを利用した自動車メーカーと販売業者の販売系ネットワーク(TRANSNET)があり、70のメーカーと3,000 のディーラーが参加している。月間40,000件のオーダーがこのシステムを介して行われている。

・電気業界:NEMA、NAED、NEMRAの3団体が中心となって、ANSIX12の標準フォーマットのもとにCDC社のネットワークを利用してEDIをスタートさせたが、業界内で十分な合意が得られなかった。ただし、大企業のうち数社は自社で部品メーカー等の間でEDIを始めている。

・紙・パルプ業界:GE社をシステムのベンダーとしてEDIシステムの導入を計画中である。取り敢えず、製紙メーカー、印刷業者、出版社、問屋等の十数社の間で試験的に使用されることになっており、船の積荷明細書が最初に電子データ交換される予定である。

・製薬業界:AHS(American Hospital Supply Company)という一企業が中心となってクライアンとの間でEDIを活用し、それを基本としてGE社のコーディネイトにより業界のEDIシステムが構築された。現在はANSI 12 標準フォーマットを使用している。

・流通業界:食品グループはUCS、小売業グループではVICSによりEDIを一部実施している。特にVICSはANSI 12 のサブセットとなっている。

 

 

 

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