米国や欧州などでは認証機関の電子証明書を国や州が有効性を保障する資格制度がすでに整備されており、これらの諸国でもおおむね資格制度は義務化せず、任意制になっている。これらの国々で日本の認証機関の証明書も法的に有効性が保障される相互承認を目指すために国際協定作りを行う。
(参考:諸外国の電子署名法等)
欧州委員会 「電子署名指令案」(1999年11月30日採択)
任意的な資格認定制度の導入を許容している。資格認定を受けた認証機関の電子証明書により認証された電子署名に関して、署名を行うことの要件を充足するものであるとするとともに、裁判などの法手続において、証拠として採用できるという効力を認めている。
マレーシア 「デジタル署名法」(1997年6月成立)
対象とする電子署名技術をデジタル署名に限定し、認証機関に対しては義務的な免許制度を導入しており認証されたデジタル署名については、a)名義人のものであること、b)その電子文書に署名を行う意図を持って署名を行ったことなどについて、裁判上の推定が与えられている。
ユタ州 「デジタル署名法」(1995年5月成立)
世界で最初に成立した電子署名・電子認証に関する法制度であり、公開鍵暗号方式に基づくデジタル署名技術のみを対象としている。財務基盤、セキュリティ要件などを満たす認証機関に対して、任意的な資格認定制度を導入し、資格認定を受けた認証機関の認証する電子署名に関して、a)名義人のものであること、b)名義人は、その電子文書に署名を行う意図を持って署名を行ったことなどについて、裁判上の推定が与えられている。
イリノイ州 「電子商取引安全法」
認証機関に対する義務的な免許制度や任意的な資格認定制度は導入せず、一定のセキュリティ手続を経て作成された電子署名を「セキュアな電子署名」として定義している。「セキュアな電子署名」については、a)名義人のものであること、b)「セキュアな電子署名」が付された「セキュアな電子文書」は、電子署名が付されて以降、改竄が行われていないことなどについて、裁判上の推定が与えられている。