日本財団 図書館


2-2. 各業界(荷主・船社・銀行・損保)のメリット及び課題

 

Q2-2-4:貿易金融EDIは、銀行にとってどのようなメリット及び課題がありますか<銀行>

1. メリット

(1)導入当初から享受できるメリット

貿易書類の搬送が迅速化されます。また、災害や事故等外部要因による書類搬送リスクが削減されます。

紙による貿易書類の偽造・変造を防止することができます。但し、電子取引による安全性の保証が前提となります。

(2)将来的に享受できると考えられるメリット

1]紙による貿易書類の持込みの場合は、各支店での受付からセンターでの書類発送迄書類のデリバ リーが必要ですが、貿易書類の電子化により業務が一元化され業務作業が効率化されます。

2]書類の点検作業を電子的に行うことにより事務の効率化がはかれます。

3]貿易書類の電子化に対応することにより、新たな周辺業務および電子金融サービスの提供が可能となります。

2. 課題

(1)技術面、法制面、行政面、運用面等の安全性についての懸念があります。

(2)電子化が困難な書類が存在することによって、上記メリットの大半が消滅します。そのため、関係者の合意と創意工夫が必要となってきます。

1]為替手形の電子化

2]信用状の電子化

(1]2]において、TEDIでは「情報」の位置づけで対応)

3]原産地証明等の電子化

(3)紙の取引と電子書類の取引が併存することにより事務処理が二元化されるため、作業コスト及び事務リスクが上昇します。

(4)具体的プロジェクト(Bolero、TEDI)における現段階の内容では、貿易書類の点検作業の自動化は困難であると言えます。 銀行は、関係書類の点検が要求されています。銀行としてはこの点検作業の自動化なしでは、業務の効率化の実現は困難であると考えます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION