すべての取引が電子化すれば、
〇処理が正確、迅速に行える。これは、グローバルサプライチェーンを構築しようとすれば必須要件でしょう。
〇チェックのための負荷が軽減される。(Q1-5-1参照)わが国で現在進行中のTEDI(貿易金融EDI)プロジェクトでは、やり取りされる文書データの項目のデータエレメントをUN/EDIFACT及びSWIFTに基づいて標準化することにより、異なる文書間の差異チェックや、転記作業を自動化することを図っています。
〇文書の搬送費が低下する。現在紙の船荷証券であれば国際書留郵便やクーリエ貨物で送付している書類が、電子化により瞬時に届けられるばかりでなく、登録機関の利用料如何にもよりますが、在来の紙の書類を運ぶよりはるかに安価に行えるはずです。
2-2. 各業界(荷主・船社・銀行・損保)のメりット及び課題
Q2-2-2:貿易に関連する各業界にとってどのようなメリット及び課題がありますか<荷主>
グローバルサプライチェーン(いわゆるサプライチェーンマネジメント(SCM)は一国、地域を限定して実現することも可能であろうが、インターネットの急速な拡張により、世界が一つの市場と化している現在、全体最適化を世界的な規模で実現することが可能となり、合理的でもあります。ここでは、そのようなSCMを特にGSCMと呼ぶこととします。)を実現する上で、時間と手間とコストのかかる貿易手続きを電子化することは大きな前進となります。
貿易の手続きには、通関業者、輸送業者、倉庫、銀行、保険をはじめ、税関、商業会議所、領事館、メーカー、バイヤー、更にはその先の消費者に至る多くの関係者が存在します。
これらすべての関係者との間で電子的に業務が遂行できるようになれば、その経済効果は多大なものとなるでしょう。
SCMは、さまざまに理解されていますが、究極の目的は、コストダウンもさることながら、必要なものが必要なとき、必要な場所にある、という状態を常時実現して顧客満足を図ることにある、と言えましょう。