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4]日常生活と温室効果ガス排出の関わり

地球温暖化の原因となる温室効果ガスの中でも最も寄与度の高い二酸化炭素は、日常生活においても大量に排出されています。地球温暖化がこれまでの公害と違って被害者も加害者も同じといわれる所以です。

運輸部門での二酸化炭素排出で日常生活に最も身近なのが自動車からの排出です。

 

例えば燃費が13km/l(10・15モード燃費値)の自動車は1km走る毎に約50g(炭素換算、以下同じ。)、8km/l(同)の自動車は1km走る毎に約80gの二酸化炭素を排出していることになります。

 

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ちなみに、平均的な家庭用の風呂を1回沸かす際に発生する二酸化炭素量は約280g。また、六畳間の電気(60W)を1時間使用した場合の電力をつくる際に発生する二酸化炭素量は約6g。

したがって、例えば、1回20kmの自動車使用は風呂3〜6回分、六畳間の電気なら1日5時間使用として1ヶ月〜1ヶ月半分に相当することになります。

 

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また、乗用車で10分間アイドリングすると1〜2kmの走行に要する燃料に相当する約130ccの燃料が消費されるといわれています。これは1〜2kmの走行に相当する約90g(炭素換算)の二酸化炭素排出になります。やかんの水2lを沸かすと約10gの排出ですから、それだけで、9回お湯が沸かせ、また、六畳間の電気なら約3日分に相当します。

 

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コラム

このまま地球温暖化が進んだ場合、100年後には平均気温が2度上昇するといわれています。我が国各地で記録的な暑さとなった1994年の夏のことは記憶に新しいかと思いますが、それでもこの年の関東地方の平均気温(6〜8月)は平年に比べ1.9度高いだけです。また、海面が大きく後退した2万年前の氷河期でも平均気温は今より5度程度低いだけ。地球温暖化による平均気温の上昇による人間生活への影響は決して小さなものではないのです。

 

 

 

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