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(2)運輸部門における今後の地球温暖化対策のあり方

1]交通機関ごとの省エネルギー対策

(a)自動車

 

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■自動車の燃費性能の向上 

自動車の燃費性能の向上については、従来から「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」に基づき、自動車メーカーに対して車両重量区分毎の燃費の加重調和平均値が達成すべき目標値を設定すること等により技術開発を促し、より燃費の良い自動車の普及が図られてきました。しかしながら、1997年12月の地球温暖化防止京都会議において採択された京都議定書の温室効果ガス削減目標達成のための施策の一つとして、地球温暖化対策推進大網(1998年6月17日地球温暖化対策推進本部決定)等において自動車燃費の向上が挙げられたことから、1998年6月に改正された省エネ法に基づき燃費目標が更に強化されました。

その内容は、一般に販売されているものの性能のうち最も優れたものに技術開発の将来の見通し等を勘案して目標を定める「トップランナー方式」の考え方を採用し、ガソリンの乗用車及び軽・中量貨物車(車両総重量2.5t以下)について2010年度の目標値を設けたほか、新たにディーゼルについても乗用車及び軽・中量貨物車(車両総重量2.5t以下)について2005年度の目標値を設けたもので、1999年3月31日に告示され同年4月1日に施行されました。

また、より燃費の良い自動車の普及を促すため、1999年4月より、個々の自動車で新燃費基準を達成したものについて自動車取得税を軽減する優遇措置を実施しています。

なお、自動車の燃費については、「乗用車等燃費一覧」としてまとめ、運輸省のホームページ等で情報提供しています。

■自動車関係諸税のグリーン化

地球温暖化対策推進大綱では、「地球温暖化防止に資するため、低燃費自動車の一層の普及促進を図る。そのため、自動車関係税制を含めあらゆる政策手段について検討する」こととされています。これを受けて、運輸大臣から運輸政策審議会に対し、「低燃費車の一層の普及促進策について」の諮問(諮問第17号)がなされ、1999年5月に、運輸政策審議会は、低燃費自動車の普及促進を図るためには、自動車関係諸税の税額を燃費の良い車ほど安く、燃費の悪い車ほど高くすることにより、自動車ユーザーが低燃費自動車を購入するインセンティブを与える「自動車関係税制のグリーン化」の取り組みを早期に行う必要があると答申しました。

この答申を受けて、運輸省と環境庁は共同で、1999年8月に自動車関係税制のグリーン化について税制改正要望を行いました。

なお、フランス、デンマーク、オーストリア、カナダ等の欧米諸国においては、既に燃費に応じた税額設定を行うグリーン税制を導入しています。

 

●ガソリン乗用自動車の2010年度における燃費目標基準値

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●ディーゼル乗用自動車の2005年度における燃費目標基準値

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