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では、何で家庭用が減ったかというのを、例えばそれは外食がふえたからだというような説明をする方もいらっしゃいますけれども、しかし、やはり自分自身に照らしてもというのは変な言い方ですけれども、例えば98年といったら京都会議の翌年ですよね。だから、何かやっぱり電気のスイッチをまめに消すとか、あるいは皆がそれなりの省エネルギーということに気を使っている。それがちりも積もれば山という面があると思うんですね。

それから、私が思うのは、やはり85年から95年ぐらいにかけてエネルギー消費もCO2排出も激増したんですね。考えてみますれば、エアコンディショナーを初めとする、要するに非常に電力を食う家庭電化製品がどんどん普及途上にあったわけですね。それから、いわゆる待機電力を消費するような家電製品も物すごい勢いで普及しましたね。そういうことで電力消費も。それから、87年ごろでしたか、シーマ現象という言葉があって、とにかくいわゆる3ナンバーの高級車が物すごくはやりにはやったわけですね。それからレクリエーションビークルと呼ばれる燃費効率の悪い車も物すごい勢いで普及した。87年ぐらいをボトムにして燃費効率が急激に悪化しているんですね。私は、今申し上げましたような非常に電力を多消費の家電製品の普及も、それから、そういうRVとか3ナンバーの高級車の普及というのも95年ぐらいを境に大体飽和状態に達したと。その結果、先ほど申し上げたようなことが 、希望的観測にすぎるかもしれませんが、起きたんだと。実際、今後ともそれが続くのではないかと思っております。

 

○石 では、香川さん、どうぞ。

 

○香川 まず、浅岡先生がおっしゃった、自動車メーカーはもう燃費の判断基準を決めたんだから、ここで一安心だと思っているというような受け取り方をされたんでしたら、これは私の言い間違いでありまして、もう少し正しく言わなくてはいけない。

今年の4月からトップランナー方式による新制度がスタートしたわけで、これからが大変だということで、身を引き締めたところだという意味です。

もう一つ浅岡先生がおっしゃった、交通量を減らすことを考えなくちゃいけないと。これも私たちは同様に考えています。先ほどちょっと申し上げましたけれども、運輸部門で1300万トン炭素換算で減らすという場合のほとんど、かなりの部分、半数以上は人流とか物流の合理化、輸送面、それから国民の省エネ意識、交通部門での省エネ意識、そういったようなもの、エコドライブとかいろいろありますけれども、そういったもので減らそうとしているわけですから、これは当然な話でして、私たちもそういうことのためにいろいろPRをしていかなくてはいけないし、協力できることがあればやっていかなくてはいけない、こう思っております。

 

 

 

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