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実際97年度というのは96年度に比べてCO2の排出はマイナス0.4%です。98年度はさらにマイナス3.5%ということで予想外に減っているんですね。もちろん景気が低迷していたということもありますけれども、それから推測される値を上回る削減がなされているということなんですね。ですから、今までは無理だ無理だと、国内でそんなマイナス6%は無理だ無理だと言っていたけれども、ここでもう一押し、二押しすれば、十分その6%削減というのは達成可能だと思うんです。

もう一遍細かい数字を申し上げると、96年度というのはCO2の排出量というのはここ数年来のといいますか、過去最高なんですね。そのときに、それが90年に比べて96年は、〜年度でも年とほぼ同じと思ってください。〜実は9.5%ぐらい膨らんでいたわけですね。

もう間もなく10%を超えるから、それをマイナス6まで持っていくなんて、そんなものは並大抵なことではないと言われていたのが、その後、97年、98年と減ったことによって、今や90年に比べるとプラス5.5%というところまで来ているんですね。だから、今後、いろんな対策を上手に講じることによって、しかも、先ほど申し上げましたように、まだ10年あるわけですよ。10年たてば、単に自動車のみならず、各家庭に置かれているさまざまな家庭電化製品とか、そういったものも大部分が置きかわるわけですね。その置きかえるときに少しでも省エネタイプのものに置きかえることをやれば、何の苦痛もなく目標を達成することが私は可能だと思うんですね。ですから、そのときにそういった燃費効率のいい、あるいは省電力の機器を買うことをいかにして動機づけるかということが一番重要だと思います。

 

○石 神野先生、いかがでしょう。

 

○神野 先ほど私の申し上げた範囲内でグリーン化を考えれば、香川さんがおっしゃっているほど恐れおののくようなことではないのではないかと思います。ただ単に、例えばお酒の税金で言えば、50%濃度のお酒を飲む人の方が税金が重くて、アルコール濃度の低いお酒を飲む人の方が健康にいいんだから安くしてあげましょうという論理と同じ論理で言っているわけですから。例えば道路を非常に激しく重さによって損傷してしまう車を今までは重くしていたんだけれども、それよりも環境を損傷するということについて重く課税をするという方が社会的な正義に合うのではないか、こう言っているだけですから。

 

 

 

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