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○石 では、佐和先生、どうぞお願いします。

 

○佐和 さっき香川さんが、後から来てがちゃがちゃ言うな、京都会議が終わってすぐに、つまりどこまで研究開発ができるかということを通産省、運輸省、そして自動車業界で話し合った結果、全部平均すれば23%の改善目標を既に我々はちゃんと出して一生懸命努力しているんだというふうにおっしゃいましたね。それはいいとして、一体今の政府の省庁の方々が、あるいはまた自動車業界の方々が、10年先の技術開発がどこまで可能かということを見通せると思いますか。私には思えないですね。つまり10年先に一体どこまで技術が進んでいるかなんてこと、そんなことは誰れにもわからないわけですよ。

ですから、結局10年先にもしそういう目標を立てたのだったら、当然そのために開発投資が要りますよね。そうすると、開発投資をやればやるほどそれが報われるというような、そういう制度をさらに追加的に導入するというのは何ら二重の覆いかぶさったものでもないし、むしろ仮にそういう目標を立てたということを一応認めるとすれば、それにより一層楽にそういった目標を達成できるように、言いかえれば、できるだけ早い時期から低燃費車の開発に開発投資の資金を注ぎ込めるような、そういうふうな制度なり仕組みをつくってあげましょうというか、むしろ旗を振って応援しているんですよね。応援の旗を振っているんですよ。ですから、そういうふうにご理解いただきたいというわけですね。そうしないと、社会主義の国じゃないわけですから、各自動車メーカーに対して、低燃費車開発にこれだけ投資せよなんてことを政府が命令はできないじゃないですか。

もう一つは、先ほど申し上げましたように、技術開発が一体どこまでいくかということはだれにもわからないわけですね。もしその23%という基準が厳し過ぎたらどうなるか、一体どう後始末をつけるのかということが一つですね。逆にそれが緩過ぎたとすると、今後、予想もしなかったような、例えば燃料電池の話なんかがありましたけれども、物すごい技術が開発されて23%を楽々達成されるということになったら、そうすると、その23%という目標を達成すれば、それ以上は努力しても本当は意味ないわけですね。だけれども、例えばその税制のグリーン化というようなことをやれば、努力すればするほど報われるということなんですね。ですから、そういう意味で、むしろそういった研究開発を加速している。それが自動車税制のグリーン化だということを申し添えたい。

もう一点は、これは浅岡さんがおっしゃったことに若干関係あるんですけれども、私は、90年比で6%削減という目標を達成するのはそんなに難しいことじゃないと思うんですよ。

 

 

 

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