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1995年から2010年にかけて運輸部門からのCO2排出量は、放置しておけば1300万トンぐらいふえるといわれています。これを何とかふやさないようにするために燃費基準が定められたわけですが、それでは、この設定した燃費目標によってどの程度CO2の削減ができるのか計算したところ、350万トンぐらい節減できるという結果が出されています。

これならば、通常のベースで車が入れかわり、通常のベースで燃費の基準が達成できることになります。更に、先ほどの本田の萩野さんの話にありましたように、2010年の目標を2005年ぐらいに5年早めますと、もう既にかなり前広に達成できるわけです。

そういうことで、我々はこの目標に向かって進めばいい、と思っていたところへ今度のグリーン化という問題が起こったわけです。特に、燃費の目標を既に達成している車、将来の目標値を達成している車については減税しましょうという方式が今年度から始まったわけですから、そういうものの動向を見、且つそういうものを拡充していく方向が望ましいと考えているわけです。

この方式は、増税を伴わないやり方ですけれども、これは産業界にとってみれば、増税を好まないのは当たり前だと思うんですね。どこの産業をとってみても、あなたのところの製品に増税しますよと言われて、喜んで賛成するところは恐らくない。これはエゴでも何でもなくて、当然のことだと私は考えています。

そういうことで、我々は日ごろから地球環境対策には努力していることをご理解願いたいと思います。

 

○石 では、浅岡さん。

 

○浅岡 もちろん日本も市場経済の上に乗っていかざるを得ない、市場経済を外れることはないと思いますけれども、市場がグローバル化するに従ってこれをうまく運用するのも大変難しい課題になってきている。特に温暖化対策での条約交渉では、温暖化を防止していくために先進国の削減数値目標も決め、今後大幅に削減するためにも市場経済を活用したルールを議論しているのでありますから、ただ市場に任せるという議論ではなくて、日本も世界各国も政府として削減の方向性をはっきり出すことが重要だと思います。

 

 

 

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