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<香川勉 氏>

 

〇 香川 先程来、佐和先生、神野先生から、辛口のご意見を頂きましたが、説明というか、言いわけではなくて、主張すべきことは主張しておかなくてはいけないのではないかと思います。

さきほど、神野先生が税の要素として環境を入れることが正義であるにもかかわらず、正義も認めないのかという言われ方をされましたが、我々は環境を税の中に取り入れることに反対しているわけではないということは何度も申し上げているとおりです。いみじくも神野先生がおっしゃったように、そもそも環境税というものをどうするか、ということを基本的に考える時期に来ている、ことについては私もそう思っています。

また、何度も申し上げていますように、税のグリーン化によってCO2の排出を削減するという論理的な考え方、これに我々は反対しているわけではございません。反対しておりますのは今提案されているような考え方について反対している。これはもうぜひ理解いただきたいと思うんです。

当然のことながら、先ほども本田の萩野さんから説明がありましたように、低燃費車の開発を図って、しかもその普及を促進して、それの利用に伴うCO2の排出量を削減する、これはもう至上命題でありまして、先ほど浅岡先生からCOP3から来た話もございましたけれども、当然我々もそのために協力し、努力したいということで今までずっとやってきています。

それに関連してちょっと申し上げたいのは、先ほど佐和先生は、直接的な規制手段として燃費の判断基準を設けてやるのはよくない、とおっしゃるんですが、この燃費の判断基準は、COP3の前後を中心にしまして、ほぼ1年ぐらいかけて決めた経緯があります。

我々は運輸省さん、通産省さん、資源エネルギー庁、この3省庁の方々と一緒にさんざん議論をしまして、今後は、トップランナー方式で燃費の目標を設定しますということになったのです。トップランナー方式というのは、将来考えられる一番いい技術を取り入れるというやり方で燃費の判断基準を設定しましょうということで、連日連夜議論をしてやっと目標を決めたわけです。その目標を決めて4月から実際に実施になったわけですね。

そこへこのグリーン化税制の問題が発生したわけです。我々から見ますと、確かに直接規制というのはよくない。市場原理に基づいてやった方がいい、という一般的な理論的な考え方には賛成ですけれども、既にトップランナー方式による燃費基準方式が決まっているという事情があります。

 

 

 

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