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そこで、温暖化対策の絡みでどういうことになるのかといいますと、例えばさっき香川さんのお話にもありましたように、燃費効率のいい車を減税して、普通の車は今の税金のままにしておいて、そして燃費効率の悪い車の保有税を高くするということにしたとしますね。そうしますと、消費者は次に車を買いかえるときには、じゃ、自分はやっぱり税金を余り払いたくないから燃費効率のいい車、例えばプリウスを買おうということになるわけですね。そうすると、そのときにそういうふうにして需要が燃費効率の悪い車からいい車の方にシフトする。同じ1500ccなら同じ1500ccの車を買う人でも、燃費効率の悪い車よりはいい車を先行する、プリファーするようになるわけですね。そういうことがまさにそのグリーン税制の意味なんですね。あるいは意義なんですね。

そうしますと、燃費効率のいい車が欲しいという消費者がいれば、どうしてもメーカーの方もそういったことの技術開発を急がなければいけないわけですね。そして、少しでも燃費効率のいい車を出した自動車メーカーはそれだけ売り上げ台数が伸びるということになるし、逆にそういう努力を怠るような自動車メーカーは今度はどんどん売り上げが減っていくということになるわけですね。これがまさに市場メカニズムを通じての自動車の燃費効率向上、皆様方が市場経済が大嫌いだというのだったら別ですけれども、市場経済が嫌いでなければ、やっぱりこういうふうな対策を支持すべきであるというふうに私は考えております。どうしても規制の方が望ましいという方はやっぱり市場経済が嫌いなんですね。もし自動車工業会がこういうグリーン化はけしからんとおっしゃるなら、私はやっぱり自動車工業会は市場経済が嫌いなんですねと言いたくなってくるんですね。

要するに日本の企業というのは、私が第三者的に見ていますと横並びが好きなんですね。例えば規制してもらって、その規制をクリアしましょうということで横並びになるというのが本来的にお好きで、市場で競争する、努力して成果をかち得たものが得をする、逆に努力を怠った企業といいますか、メーカーが割を食う、そういうのはやっぱり嫌いなのではないですかね。

 

○石 後でゆっくり香川さんにも反論の時間がありますので。

 

○佐和 そういうことで、いずれにせよ、最後に一言申し上げたいのは、やはり2002年ごろに発効するとなると、これは先ほど各国ともが、低燃費車を普及させるためにはどうすればいいかということで、恐らくこの税制のグリーン化というのをどんどん始めると思うんですよ。既にデンマークとフランスとドイツはやっているんですね。こういう税制を導入しているわけです。

 

 

 

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