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(2) 今後の普及・発展の可能性

*フラミンゴは中小トラック業者が企業間連携によって業務の効率化を図ることを基本的な理念として開発されたものであるが、大日本印刷の例に見られる通り、特定の関係性を有する親密企業間の連携強化にも有効なツールである。こうした企業間においては、EDI等に独自の業務システムを導入しているケースも少なくないが、フラミンゴはシステムがシンプル且つ低コストであるため、既存の他のシステムと併用することも可能であり、今後、こうした企業間においても普及・拡大していく可能性がある。

*フラミンゴ北トラネット(仮称)で取り組んでいるように、フラミンゴは、他の通信手段と比較した通信の安定性や一斉同報による迅速性などから、災害時における緊急物資輸送への対応など防災情報通信システムに適している。今後はこうした活用を目的として普及していくことも期待できる。

*新たにフラミンゴを導入する複数の団体が予定している通り、今後は団体間での相互乗り入れが想定される。頻度の高い地元の地域内輸送における求車求荷は所属団体内の企業と連携し、長距離輸送における求車求荷に相手先地域の団体の会員との連携するといった活用方法が可能となれば会員企業のメリットは拡大する。今後、さまざまな地域にフラミンゴが普及することで、メリットのさらなる拡大と普及に一層の拍車が掛かり、全国の主要な都市がフラミンゴの団体間のネットワークで結ばれるようになれば、全国規模でトラック輸送効率化に寄与することが期待できる。

*団体間の円滑な連携を確保するためには、システムの統一性を確保することが重要である。新たな団体の例にも見られる通り、今後、フラミンゴを導入する団体が増えるに従い、各団体の特性に応じて暗号コードやルールに独自のものを用いるケースも想定される。このため、基本的なコードやルールについては、団体間で統一性を確保することが重要である。また、併せて業務プロセスの情報化、標準化を進め、各団体が共通して使用できる決済や保険加入等の情報システムを構築することが有効である。

*城南運送事業協同組合の例に見られる通り、ポケベル利用のメリットは評価しつつも、最終的には暗号コードではなく文字による情報交換を志向する意見が多くを占め、独自のシステム構築に取り組むこととなった例も見られる。このため、フラミンゴにおいても、現状のシステムのメリットは堅持しつつ、ポケベルの機器やサービスの進歩・改善の状況に応じた新たな機能の導入可能性を検討していくことも必要と考えられる。

以上、フラミンゴを導入する団体は全国で4団体、延べ参加企業数200社前後の規模に拡大する見通しであり、団体間の相互乗り入れも想定されていることから導入のメリットは一層大きなものとなる。今後、全国のさまざまな地域にフラミンゴが普及すれば、多様な地域間での相互乗り入れが可能となり、求車求荷の量的、地域的な機会が大幅に拡大するため、普及に一層の拍車が掛かることが期待できる。一方、団体間の相互乗り入れを円滑とするためにも、各団体が共通して使用することのできる決済システム等の情報システム構築が期待される。

 

 

 

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