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その結果、NOxについては22秒以上、粒子状物質については112秒以上のアイドリングに対してエンジンを停止することにより、各汚染物質を低減できるが、ガソリン車については傾向がみられないとの報告がなされている。

4台のディーゼル車について、神奈川県内ディーゼル車実走行モードおよびM15モードを走行し、約20秒以上のアイドリング状態の時にエンジン停止した場合の効果について調査し5)、NOx、CO2、および燃料消費量は低減するが、HCおよびCOは若干増加する結果を報告している。

同様にガソリン車について、30秒以上のアイドリング状態の時にエンジン停止した場合の効果について調査しており6)、COについては増加または著しく増加しているが、NOxについては車種により異なると報告されている。

1台のディーゼル車および5台の三元触媒装着ガソリン車について、長時間エンジン停止した場合の問題点の検討を目的として調査している7)。試験モードは模擬駐車走行モード+M15モードまたは10・15モードで、エンジン停止時間は停止しない場合から20分間である。その結果、ディーゼル車において20分間のエンジン停止は、再走行した時の汚染物質に影響を及ぼさない。しかし、ガソリン車においてCO2排出量はエンジン停止時間に比例して低減するが、NOx、HC、COについては車両間、エンジン停止時間で異なり、一定の傾向が見られなかったとの報告がなされている。

 

2.4 従来の調査結果のまとめ

 

アイドリングストップの有効性にして、これまで2機関においてシミュレーションにて、また2機関、合計5つの実測調査がシャシダイナモメータを用いた台上試験にて行われている。それらの概要を比較したものを表2.1および表2.2に示す。ここで、アイドリングストップの有効性および有効時間に関しては、表2.2から、ガソリン車に対してアイドリングストップは、CO2には有効であるものの、他のCO、HCおよびNOxには傾向が見られず、ディーゼル車に対してアイドリングストップは、最短で22秒(NOxに対する有効時間)から、最長で112秒(粒子状物質;PMに対する有効時間)以上で有効であるとの報告がなされている。しかしながら、アイドリングストップの有効性およびその有効時間は、エンジン再始動後、アイドリングを持続した状態で検証されている。

信号待ちや荷下ろしでのアイドリングストップを想定しているのであれば、エンジン再始動後、直ちに発進する条件下で検証することが重要であり、本調査ではこのような条件での効果を対象とした。

 

 

 

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