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短時間のアイドリングストップの有効性実測報告書

 事業名 運輸交通における地球環境問題に関する調査研究
 団体名 交通エコロジー・モビリティ財団 注目度注目度5


また、エンジン始動時の燃料消費量、NOx排出量および電力消費量等について検討するため、3台のガソリン車および8台のディーゼル車を用いたシャシダイナモメータ台上試験を行っている2)。試験方法は、50km/hで20分間走行後アイドリングにし、エンジンを停止する。ある決まったエンジン停止時間経過後、エンジンを始動し、アイドリングを継続する。エンジン停止時間は10秒から15分である。エンジン始動10秒前から6分間を計測している。その結果として、NOxについては、短時間のエンジン停止では始動時の増加は少ないが、10〜15分以上のエンジン停止で触媒温度の低下に起因すると考えられる増加を示す車両が存在した。燃料については、始動時の増加は少なかった。また、電力消費量については、ガソリン車で0.16Wh/回、ディーゼル小型車で0.10Wh/回、大型車で0.20Wh/回であり、始動後10-30秒以内に、80-90%が充電されている。

 

2.2 警察庁科学研究所における調査結果3)

 

信号待ちや渋滞時でのアイドリングストップがCO2排出量や渋滞、安全に及ぼす影響等について調査を行い、アイドリングストップの試作としての適用可能性について検討することを目的としている。シミュレーションとして、(1)アイドリングストップをしない場合、(2)先頭車両は、対面する信号機が青になった時、2台目以降は直前の車両の発進時にエンジンを始動する場合、(3)先頭および2台目の車両は交差道路の信号機が黄になった時、3台目以降の車両は2台前の車両の発進時にエンジンを始動した場合、(4)3台目までの車両はアイドリングストップをせず、4台目以降の車両は2台前の車両の発進時にエンジンを始動した場合の4つのシナリオについて行っている。なお、車両1台当たりの発進間隔・発進遅れ時間は各シナリオでの実測に基づいている。その結果、発進遅れを生じ、交通容量を低下させ、渋滞の発生や悪化させることによりCO2の増加をもたらす可能性があること、ドライバへ焦りや過度のストレスを与えること、エンジン始動回数の増加に伴うバッテリ、スタータ等の車両部品に問題を発生する可能性があること、エアコン機能低下やパワーアシスト機能停止等の快適性が低下すること、等から車両を離れる時や一定時間以上駐車する時にエンジンを停止するように努めることが適当と結論付けている。今後の課題として、最低アイドリングストップ時間や発進遅れの詳細な調査を挙げている。

 

2.3 神奈川県環境科学センターにおける調査結果

 

アイドリング停車時のエンジン停止による大気汚染の低減効果とその問題点を把握する目的で調査している4)。4台のディーゼル車および2台のガソリン乗用車について、10分間(ガソリン車では6分間)の運転モード(アイドリング−エンジン停止−エンジン再始動−アイドリング)で、エンジン停止時間は10秒から5分間である。

 

 

 

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