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短時間のアイドリングストップの有効性実測報告書

 事業名 運輸交通における地球環境問題に関する調査研究
 団体名 交通エコロジー・モビリティ財団 注目度注目度5


1. まえがき

 

車両の排出ガスや燃料消費量を削減する一方法として、国や自治体等で荷下ろしや信号待ちでのアイドリングストップが奨励され、励行されている例が増えている。スイス等諸外国においても、信号待ちでアイドリングストップを制度化している事例もある。

アイドリングストップ期間中には、排出ガスおよび燃料消費量はゼロとなる長所を有する一方、その期間ではエンジン等の温度が低下するためエンジン再始動後の排出ガスは悪化することが懸念される。また、発進遅れ等による交通渋滞の発生や、バッテリーおよびスタータへの悪影響も懸念される。

これまで、アイドリングストップが排出ガス等に及ぼす影響に関して、いくつかの調査が行われており、アイドリングストップの有効時間についても報告されている。しかし、その有効時間はエンジン再始動後アイドリングで放置した条件で求められており、必ずしも信号待ちや荷下ろし等における条件で求められていない。

そこで、本調査では排出ガスおよび燃費に対象を絞り、エンジン再始動後、直ちに発進する条件下において、信号待ちや荷下ろし等における短時間のアイドリングストップの有効性を、その有効時間も含めて定量的に把握し、エコドライブ推進運動に活用できる資料を得ることを目的としている。

 

2. 従来の調査結果

 

2.1 東京都環境科学研究所における調査結果

 

「交差点におけるアイドリング・ストップ・シミュレーション」1)では、赤信号で停止した自動車のエンジンを停止することを、NOx削減対策、特に、交差点等の局地的高濃度汚染対策の一つとして提起し、NOx排出量削減効果をシミュレーションにて明らかにすることを目的としている。シミュレーションの条件は、(I)先頭から3台までの車両は、交差する道路の信号が青から黄になった時にエンジンを始動する、(II)先頭から3台目以降の車は、その車の3台前方の車両が発進した時にエンジンを始動する、の2つである。なお、発進間隔は現況と変わらずに2秒としている。

計算ケースとして、(1)全車方式:全車両がエンジンを停止する場合と、(2)スイス方式:先頭から2台の車両はエンジンを停止しない場合、についてシミュレーションを行っている。その結果、(a)板橋区大和町交差点を含む24交差点において、NOx排出量は全車方式で6-7%、スイス方式で4%削減、(b)普通貨物車およびバスのみでも、NOx排出量は約5%削減する結果を得ている。

 

 

 

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