1] 普及のための留意点
・運営組織・運営方法
運営適正規模、運営経費、車両取得費・メンテ費、予約システム、キーシステム、位置管理システム等、駐車スペース確保等、他業者レンタカー会社との連携、公共交通との連携、カーシェアリングと他の交通手段との連携(タクシー、レンタカー、公共レンタカー)、マンション・宅地開発事業との連携
・市場の把握・利用者へのアッピール
利用人口密度、需要車種、利用価格、会費、経済性等利点の認知、利用方法・価格、サービス箇所の配置、デザイン・イメージ
特に我が国で普及するためにはまず、以下の2点を把握することが何より重要と考える。
(1) どの程度の料金設定が適当か、
(2) 会員何人あたりに一台の車を配置することで不自由なく使えるという印象を獲得できるか
2] 普及のための支援策
環境への貢献が認められる新しい業態の産業育成、市民のモビリティティ向上のためには、公共側の支援は大いにこしたことはないが、カーシェアリングを想定していない制度などは整備が必要である。カーシェアリングの成立条件を整える支援策として以下に関連して上げられる。
・社会的バックアップ(社会啓蒙、社会実験、専用スペース・レーン確保)
・税制優遇(事業税関連・車両費関連)、電気自動車補助金、精算方式))
・制度整備(保険制度、共同所有優遇、付置義務駐車場、自動配送等交通安全基準)
・インフラ整備(駐車スペース配置、電気自動車充電ポスト、天然ガス等スタンド、位置探索システム等ITS)
・利用者優遇(共同所有優遇税制、定期券と連動、精算の簡素化、その他減免措置)
・車両改善(小型化、省エネ・低公害型、キーシステム、自動配送技術、用途と機能)
○当面の支援策
(1) 一般認知されるよう、また、市場性の把握のための社会実験公共側でサポートする。
(2) 適切な保険制度と貸出し時の車両整備義務の見直し
(3) 駐車スペースの優先的確保、共同所有・共同利用に減免等優遇措置
3] カーシェアリングの社会実験
エコ交通の中でも将来的に有望と考えられるカーシェアリングの普及を目指して、普及のための一番の鍵は、経済性を証明すること、利用に際して不自由がないレベルを検証することである。どれだけの利用があるのか、カーシェアリングの成立可能性をまず、日本の中で確認することが重要である。
目的:
適切な価格設定と不便を感じない車の配置台数の実際を情報として把握する。
その上で、利用率、運営上の問題などを経験として確認する。
社会実験を通して、カーシェアリングを一般へ浸透させる広報効果を期待する。
成立するレベルの確認の一方、事業者へ有効性をアッピール。