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社会実験といっても充電ポストの設置、家庭内充電装置、駐車場確保等の利用環境が現実の都市内で必要な装置、環境は完全に整えている。利用者数が少ないだけの現実の利用を再現していることが重要だ。

実験の事業主体は、市に加えて、95年から市販する自動車メーカーとや間電力の需要拡大を目指す電気会社で、充電装置のインフラ整備は電気会社、駐車場や空間整備は市という協力体制である。

電気代はガソリンの1/5程度で、都市内での平均利用は30km程度で、2日に一度の充電でよく、電気自動車もインフラ等利用環境を整備されていれば利用上の問題は全くないことが確認された。

 

4-3 カーシェアリングの普及にむけて

公共レンタカーは、新しい公共交通サービスの試行として公的な機関が関与していかざるをえないだろうが、オーガナイズド・カーシェアリングというか車の共同利用では車を個人で所有しない決断と、それを支える経済性に基づいて成立、普及している。

この経済性と車を持たずとも利用上の制約が少なくカーシェアリングが受け入れられる条件、環境を見定めていくことが普及のための第一条件である。これを成立させることで車のオーナーシップに対抗する新しい提案に意味を見出していきたい。

カーシェアリングの普及により車の絶対量が減少するという一方で、一台目の車、また、セカンドカーを所有できない人が利用しやすくなることから交通量が増加するという議論もある。これは、個人のモビリティが拡大したという利点でもあるので、常に両方の側面をもっていることを認識する必要はある。

また、カーシェアリングの運営は、地域の都市や交通条件、生活様式などの違いにより運営環境が、異なるという事情もある。

カーシェアリングが普及する方法として、2通りが考えられる。

1. 草の根的なカーシェアリング…需要と供給のバランスを小規模な運営で見出していく。

2. 住宅建設事業の際に導入…駐車場の確保の難しさをシェアリングでカバーする。

それぞれにケースで、経済性と利用の確実性の成立分岐点は異なる。

○利用車両について…一般に普及している通常車両を原則使用

第一歩として日本でもカーシェアリングが成立することを確認しなければならない。まず経済性がカーシェアリングの現実的メリットであるため、安い通常の車を前提にスタートする。その後、一応の市場性を獲得し運営が軌道に乗った上で、環境面で有利な電気自動車等の低公害型自動車の導入を考えるという段階を踏むことが適当と考える。

電気自動車は現状では高価な上に、実用には充電ポストが都市レベルで普及していないなど、まだ通常利用は難しい。また、建築の耐久年数と自動車の耐久年数は大きく差がある。自動車は次世代の技術開発等の可能性もあるので、当面のカーシェアリングは現在の通常車両をベースに考える。ICカード、GPS、予約管理コンピュータシステムの開発等も事業費を圧迫する場合は当面事業性の確認ができるまで避けることが賢明と考える。一般車として使え、新しい設備投資の必要もなく、価格的にもさほど差がないハイブリッド車は環境面でも効果が期待できる。従って、当面は通常の車(ハイブリッド車を含めて)でシェアリングすることによる環境面での効果を期待する。

 

 

 

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