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具体的には、クリーンエネルギーの交通手段の開発等技術レベルの努力がある一方で、環境に貢献できる手近なことは、車利用のいろいろな方法と車にかわる交通手段を育て利用するという車からの転換の努力と工夫である。新しい車の使い方では、カーシェアリング、公共レンタカー、相乗りがあり、車の代替交通では公共交通、自転車、中間モードが上げられる。これを交通の組立からいうと公共交通を最優先してその他の様々な交通手段を適宜選択しマルチモーダルな交通環境を整えていくことが狭義のエコ交通のレベルを高めていくことであるだろう。そうした方向性を目指すとき、例えば中間モードの交通手段を開発していくことで、選択性の幅も拡大し、新しい都市サービスも工夫されていくにちがいない。

 

●エコ交通のフレーム

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4. エコ交通の展開にむけて

 

4-1. エコ交通の普及

1] 普及のための方策…支援策と社会実験

交通の分野から環境問題へ寄与するエコ交通の推進に有効な施策、支援方策等を検討する。産業構造、ライフスタイル、あるいは、都市全体の政策や、総合的な交通体系等交通を取り巻く社会の枠組みに対しては、有効な手だてを簡単に講じることができないので、本来なら広義のエコ交通から扱うべきだがここは早急に具体的展開ができるエコ交通について焦点をあてて具体的展開を考えていきたい。したがって、環境面での効果も期待でき比較的身近な努力で選択できる狭義のエコ交通が、当面の普及効果も期待できる。

・支援策…制度、運営、資金等

エコ交通の視点からは、有望な交通でありながらこれまで一般化していない交通については、現状における制度や環境等諸条件、運営ノウハウ等、あるいは資金面等の課題を取り除き、必要なことは支援することも必要と考えられる。

・社会実験

計画や新しい交通システムを直接本格的に実施することは、内容によっては失敗する危険性が高いこともある。また、既に成功事例があっても地区条件により成立が予測できない場合など、将来の本格的実施を前提に必要なデータやノウハウを蓄積する目的で、また、市民等の評価も受けるために試行として行うことは目的によっては大変有効な手段である。

2] エコ交通のターゲット

今後のエコ交通の普及にむけ様々な可能性がある中で今後の展開を考えるにあたり、車の新しい使い方と自転車が特に重要と認識している。従って、クルマの使い方に関しては、現在各地で自動車メーカー、自治体などが公共レンタカーについて社会実験をスタートしているので、ここではカーシェアリングを中心に展開を考える。

 

 

 

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