日本財団 図書館


●ヨーロッパの車なし団地の建設状況 (人と街を大切にするドイツのまちづくり 春日井道彦著より)

ヨーロッパの車なし団地の建設状況(96年8月現在)

070-1.gif

070-2.gif

 

2) フランスの社会実験「街では車を使わない日」(En ville, sans ma voiture)

都市整備ではないが、都市交通特に自家用車の利用を地球環境問題との関係で考え、都市環境の変化を体験するという目的で、国土整備環境省の呼びかけに応じた市町村において、都心部では一般の自家用車利用をコントロールする社会実験をフランスで1998年から9月22日に行っている。将来の都市交通のあり方を考える「社会啓蒙」と将来の交通計画を一日実施してみる「技術的な実験」という意味合いもある国家的社会実験である。1997年9月7日中心部を環境の視点から電気自動車の街にする計画をもつラ・ロッシュルでの「車のない日」の成功がきっかけで、2000年からはEUのプロジェクトとして実施される。50%の車利用者は2km以内の利用というデータが大きな理由の一つとなっている。

国土整備環境省の作成した実施ガイドラインに基づき市町村が実施する。歩専ゾーンの確保、公共交通の優先・増発、自転車活用、P&R等計画中の都市交通計画を、計画と同じ条件で総合的に実施することにより、諸データを収集し、効果を検証するとともに将来計画に結びつける機会としている。日常の都市活動に支障のないことを証明するためにも平日の実施が重要であった。実施の意義や多少の効果を目論む程度の日本のノーカーデイや歩行者天国と取り組みのレベルが異なっている。

●ラ・ロッシェル「車のない日」社会実験実施図

070-3.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION