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4. カーフリーシティの試み

 

エコ交通と関連するとはいえ直接交通手段の選択ということではないが、ユトレヒト郊外のハウテンのように自転車を街の主要交通として組み立てるニュータウンの例や、車に依存しない都市生活を営むための都市整備、交通計画の注目すべき試みがいくつかある。

1) カーフリーの住宅地開発…フライブルグ郊外のヴォバンの例

カーフリーシティという概念での住宅地開発が実現にいたらないものも含め何カ所か既に事例はある。ブレーメンのホラランドは失敗という評価もあるが、先駆けの一つとして知られ、フライブルグ郊外のリーゼルフェルトも民間の共同事業的に進められたが実現までに至っていない。

現実的な解決法で成功しているのがフライブルグ郊外のヴォバンである。完全に車を放棄するのではなく、住区内に駐車場を設置できないが、車利用する人は集合駐車場の利用、あるいは将来所有するときのために基金を予め拠出することにより将来の選択も可能にするという柔軟性を持たせることで、一般に受け入れられたようだ。事業地内の中心にはトラムが延伸され、中心部へのアクセスもいい。

50ccのバイクも禁止され、住区内に荷物を運び込むためのショッピングカートのようなものを利用するなどの工夫や、通常は道路に車という玄関口には中庭のようなオープンスペースがえられ新しい住宅地の環境を提供している。

●ヴォバンの計画地全容…車を所有しない住宅のブロックが数ブロックだが用意されている

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