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4) 公共レンタカーとカーシェアリング

・公共レンタカー

公共レンタカーは、車の共同利用という視点よりも都市において車利用の利便性を提供しようという公共交通としての意義がある。バスとタクシーの中間的なサービスと位置づけられている。従って、「電気自動車の全自動セルフサービス」とか「個人利用の公共交通」という目的で考えられているサービスである。

素朴なサービスの形態は、「短時間レンタカー」であり、利便性を高めるため自由に乗り捨てできるサービスに進化させたものと考えられる。現状では公共交通として、環境に配慮する事の重要性からも電気自動車の活用がセットでシステムが考えられている。

公共交通としてのサービスレベルの設定と採算性の問題があるが、実態として利用の需要把握と適切な料金設定の現実的なレベルを見出すことである。最大の課題は本格実施の時の適正規模である。

・カーシェアリング

一方、カーシェアリングは、個人利用の車よりも利便性を大きく損なうことなく、経済的に車を利用しようとする個人の選択をベースとしている。カーシェアリングの成立は、草の根的な共同利用をベースに実際の利用を通して徐々に成立する適正規模を地区ごとの運営主体の工夫でカーシェアリングのカテゴリーを成立させてきた。従って、第一義的には公共的目標はなく、結果として、車の総量が減少し交通量、都市空間の節約効果が結果としてあった。

個人利用の車と比べ環境財政面での効果が認められるともに、運営上の余裕から次第に電気自動車等低公害型自動車の導入傾向も少しずつ生じている。

重要な点は個人で車を所有せずとも、車の利便性を享受できるということである。

一般のカーシェアリングでは、スタートは個人レベルでの経済性が最も大きなファクターであった草の根的な車の共有が、普及し一定規模の市場を形成してきた。次第に不特定の車を短時間借りるということに変化、発展して、さらに、予約制から登録者がICカードを使う状況になり、規模やサービスの拡大が進むと、公共レンタカーが目指しているサービスとの境がなくなってくる。社会としてのメリットも多く促進されるようになってきた。とくに、都市交通の一部を担う役割に注目され、公共交通機関と連携したサービスがスタートしている。

●公共レンタカーとカーシェアリング

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