イ) 都心部での新しいタイプの移動手段
車主体の都市づくりを反省して、都心部は街の活性化のためにも歩行者中心の交通計画、空間づくりを進めることがヨーロッパの都市が多くなってきている。こうした都市では、歩行者専用ゾーンが大きくなり、高齢者や荷物を持った人々にはトラムやバス以外に容易に使える個人交通のような移動手段が期待される状況になりつつある。タクシーやミニバスでもいいだろうが、カートのような小さく簡単なしかも個人で使うことができるような都心の交通手段である。歩行者空間での走行なので静かでクリーンな電気自動車でできれば自分で運転しなくてもいい全自動のものが期待される。
フランスで提案されているCycabや秋田で利用が試行されているKappoなど小型のシティカーあるいはシティカートといえるようなものがある。高齢者タウン・サンシティでは、カートが一般車の代わりのようにさえ使われている。
一方、イギリスでも中心市街地の衰退対策と高齢者も街に容易に出ることができることを目的とした、電気車椅子や、電気三輪車などを配置するショップモビリティという事業が展開されている。日本でもタウンモビリティという名称で各地で普及活動が始まっている。