3. 車に代わる交通手段・自転車の活用
3-1 モーダルシフトの可能性
車優先の都市整備の時代から、街のにぎわいの主役である歩行者中心の街とするため、歩行者空間の整備や、公共交通の強化を目指すようになってきている。そうした状況の中で、歩行者に近く、また長距離でなければ都市内程度の距離であれば車に代替できる有力な自転車の重要性も見直されてきた。実際オランダのデータで、自転車利用者の推移を見てみると自動車の普及とともに急激に自転車利用者が減少している。石油ショック以来自動車交通依存を見直し、自転車に力を入れてきたことがわかる。徒歩と同様エンジンを使わないエコモビル(EcoMobile)の交通機関であり、歩行者の延長として受け入れやすい。
●オランダ諸都市における自転車交通の交通分担率の変化
(TheDutchBicycleMasterPlan)
オランダは自転車の利用が27.8%(1998年)と日本の15%程度の倍ほど活用されているが、オランダを見ると自転車の環境が整ったときの状況が理解できる。距離別のモード分担率では、2.5kmまでの距離では23.5%の車より多い39.0%、2.5〜5.0kmでは同様に39.5%、5.0〜7.5kmでは車がもっぱら使われるがそれでも自転車23.7%となっている。どの距離で車の利用は変わらないが、相当の距離まで自転車は使えるということが示され、その可能性は高い。
●移動距離と交通手段別分担率の配分 (資料:TheDutchBicycleMasterPlan1999より作成)
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