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なお、週末レンタカーは、6ヶ月定期使用料178,800円の週末乗り放題レンタカーがある。ただし、週末に限定され、2日前予約、車種は選択できず、宅配レンタカーのように配車サービスはない。

2] 運営経費および月当たり維持費の検討

カーシェアリングのシステム、運営に関わる費用は一定規模以上の保有については専任の人員が必要としてその運営費を試算してみる。人件費の2-3倍程度の経費がかかるとして、概ね一人当たり年1000万円と設定した。これには車両に関わる費用は含まれない事務関連の費用を想定した。車両関連費用は通常の車の維持費相当を組み入れていることと、それ以上の費用は車の利用料金で回収をするとした。ヨーロッパでの成功した例の経験からは最低80台の保有が必要という経験値がある。従って、相当規模のカーシェアリングの運営を試算のベースにしている。

カーシェアリングの事例として示した4つの例では、28.4台/人、12.7台/人、15.5台/人、6.5台/人、17.1台/人とばらつきがある。(パートは1/2として計算した。)これを平均を取って16.04台/人とすると、

この数字から車一台当たりの年間運営費を計算すると、62.34万円/年台、従って5.20万円/月台となる。これを上で示した表に運営費を考慮すると一世帯当たりの費用を算定し、以下に示す。

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個人所有の場合は、年間運営費がないので5年で考えるとき7.04万円/月台、10年で考えるとき5.54万円/月台である。(なみに、効率的運営をしているアムステルダムの従業員当たり車両台数28.4台/人の数字を使うと年運営費35.21万円、上記の56%となる。)

3] カーシェアリングの利用料の検討

カーシェアリングの会員が支払う費用は、

(1) 車両費

(2) システムの運営費、そして、

(3) 一回の利用に応じた使用料

である。使用料は車のガソリン代、その他の直接経費であり、レンタカーと同様に使用時間と走行距離により賄うのが一般的であり、その額はマイカーと同程度か若干上回るものとなる。マイカーの場合、燃料費、オイル、タイヤ、チェーンなどで車両整備(維持・修繕)、償却を含めた走行費用原単位は市街地走行(時速20〜30km)で20〜16円/台kmである。(建設省道路投資評価マニュアルによる)。

(なお、レンタカーの場合では、最近では1500ccクラスでは一番短いので6時間で6500円超過料金時間当たり1200〜1300円の使用料となって、走行距離あたり料金はないのが一般的である。)

 

 

 

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