2) 車の共有あるいは共同使用…カーシェアリング
1] カーシェアリングの普及
自分で車をもたずとも、会員としてあるいは共有して必要なときに使うカーシェアリングの組織がオランダ、ドイツ、スイスを中心として急速に一般化してきている。
車の共同所有は個人レベルで草の根的には以前から行われていたが、組織的なものとしては、1989年のベルリンが最初といわれている。
カーシェアリングの目的・利点としてパンフレット等では以下の説明がされている。
―車の所有と利用を分けて考える。
―所有に係わる諸費用を応分の負担でまかなう。
―個人的利用の車の節度ある利用。
―駐車スペース等都市空間の専有面積縮小による環境への配慮
車の走行距離については、都市事情にもよるが個人所有していた人の走行距離が大幅に減少するため、以前持っていない人が利用しやすくなり、セカンドカーとしての利用が増える等あっても総体として走行距離は減少するとフライブルグでは効果を認めている。
ドイツ、オランダ等でカーシェアリングとして成功する一般的数字は、一括して80台以上の車を提供し、一台あたりのメンバーが25〜50程度というのが概ねの基本線のようであった。しかし、今のところヨーロッパでもオランダ、ドイツ、オーストリア、スイスに普及が限られていることから、車に対するイメージと経済的な数字でのメリットとの比較が日本ではどちらが重要な要素であるか検討していくことが必要と思われる。
最近の傾向として、車の利用に際してICカードを利用して安全性を高め、位置の測定、予約管理などで情報化技術の導入が進展してきているが、小規模の時点で設備投資することはコストに影響するので導入のタイミングが重要である。
レンタカー会社は一般的に競争対立するというよりは、利用の異なる補完関係にある新しいカテゴリーのサービスと考えているようだ。あるいは、既存のレンタカーの運営の取り込むべきサービスとして出資している傾向もある。