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○インフラ整備の増大

際限なく道路整備が必要とされる。車主体の都市はさらに拡散的で整備量が増大する。

1-2 車の選択における価値観・評価軸

個人として車を購入、所有、利用する理由や価値観と、社会として車利用に優先権を与えてきた評価基準等は、必ずしも経済性や利便性、環境問題等定性的な指標による客観的評価で判断できるものではなくなっている。現代生活における車は生活の一部という位置付けをこえて自らの延長という捉え方もされ現代の個人生活の中に深く入り込んでいる。車の存在は、社会構造や、文化的背景、個人の価値観の問題にも大きく関わっていると考えざるをえない。特に、日本人にとっての車の存在は、移動のための道具にとどまらず個人空間としても使われているように多少特殊であると考えざるをえない部分もある。

平坦な国土のオランダでは、車より自転車をより使っているし、イタリア等の中世からの街が多いところでは小型車が中心で、自動車産業を有する国ではその重要性から環境保護と現実の解決のためのコストとの関係でスムーズに問題解決がしにくいこともある。ディーゼル車が多いヨーロッパでは大気汚染問題が一時期の日本の光化学スモッグ以上に深刻で車利用の見直しもより積極的である。また、原子力発電が主のフランスでは夜間電力を使う電気自動車の普及に力を入れるなど社会的条件により車を取り巻く状況も異なってくる。

こうした観点から、車を選択していた理由を個人レベルでの問題と社会としての問題に整理して、改めて把握しておくことは、これまで車主体の交通からシフトしていくときに有効な内容を示しているに違いない。さらに、諸外国で成功した例から学ぶ際にも日本的導入の方法が見いだせる有効なヒントがあると考えられる。

しかしながら、これらの選択軸の中での優先順位は個人個人で異なるという事実も見逃せない。

○個人の選択軸

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○社会の選択軸

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