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3] 車の共同利用・共同所有

ア) 車の共同利用・共同所有の動向

個人が一台の車を所有し利用するのではなく、共同で所有する、あるいは、共同で利用することにより、車の絶対量を削減し、また、車に占有されている都市空間を小さくすることで環境への効果を期待する試みが盛んになっている。

・相乗り…旅行の共有、車の共同使用

アメリカではHOV(HIGH OCCUPANCY VEHICLE)の専用レーンを確保することで、相乗りによる交通量の実質的な削減を推進している。職場、居住地、あるいは駅や高速道路のインターチェンジをベースにした相乗りの方法がある。一方、最近は自然発生的なヒッチハイクのような相乗りをあらかじめ情報を交換することで効率的にするインターネットを伝言板にした相乗りが急速に高まっている。

・共同利用(カーシェアリング)と公共レンタカー

自分で所有しないが必要なときに短時間車を自由に使えるシステムは、車両の絶対数を減少させ、駐車時間が長い自家用車と比べ都市空間の節減と整備費も軽減される。所有する利点よりも利用性に価値をおいたもので、重要な車の利用方法である。基本形態としては、一定の会員で共有するカーシェアリングの場合と、個人利用の公共交通といった新しいシステムとして都市内に一定量の車を配備して自由に使える公共レンタカーといわれる2種類がある。

ヨーロッパでは、現在200以上のカーシェアリングの会があり、会員制でその都度有料で利用するが経済的で利便性でも満足できるレベルとして受け入れられ成長している。企業として運営し成功しているところもある。公共レンタカーは公共側でタクシーやバスとの中間の交通手段として期待するもので、電気自動車を使用し、高度情報システムを装備し利用を自動化したものが多い。

イ) カーシェアリングの住宅地開発

日本でも最近マンションが共同でクルマを保有する方式をとって売り出し評判になったことがある。ドイツではさらに20ほどの地区で住宅地の一部ではあるが「マイカーのない住宅地」を導入するの街づくりの試みが進んでいる。

●リーゼルフェルト住宅地 (資料:リーゼルフェルト計画パンフレット)

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図4.4-22 「マイカーのない住宅地」イメージ

 

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図4.4-21 「マイカーのない住宅地」位置図

 

 

 

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