まず、交通機関の生産物としての環境の観点から資源のリサイクルの視点を考えたい。
飛行機、鉄道の車両、船舶等もあるが、自動車は資源消費という点でもっとも影響の大きい。車は日常使う製品としてはもっとも多様な素材が用いられており、年間500万台が廃車となる現状がある。絶対量を減少するためには、生産量を減少し、一台あたりの資源使用量を少なくするための小型化、リユース、リサイクルの効率を向上させることが必要となる。
資源の有効利用という観点から、これまで壊れない車から解体しやすい車と設計の段階から価値観が変化している。97年5月通産省がまとめた「リサイクル・イニシアティブ」では2002年以降に新車リサイクルか能率90%以上、廃車リサイクル実行率85%以上という数値目標が提示された。ホンダのアコードでは可能率90%を打ち出している。しかし、実際には鉄スクラップの価格変動による廃車ガラやダスト処分の埋立料との要因で不法投棄などの問題がある。欧州のようにデポジット制なども議論されている。