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1. 調査の背景・目的:

21世紀を迎えるにあたり、地球環境問題など交通を取り巻く環境は大きな変化が訪れようとしている。20世紀はオートモビルの時代で我々の日常生活も便利となり経済活動の面でも格段と進歩してきた。しかし、地球環境、エネルギー問題、さらには都心部の空洞化等様々な社会問題の主要因と指摘されるように、これまでの車依存のライフスタイル、産業構造等の見直しが必要といわれてきている。

次の時代に期待される交通をここでは、新しい言葉だが環境に配慮した環境負荷の小さな交通という意味で「エコ交通」と呼び、そのあり方、方向性について広く考え、確認していくとともに、普及のための方策も視点に入れた研究を行うことを目的としている。

エコ交通の普及と定着のため小さくとも意義のある貢献を行っていくための研究と位置づけたい。

2. 研究の進め方等:

本研究にあたっては、学識経験者、関連省庁、公団、自動車メーカーの専門家からなる研究会を設け、検討を進めてきた。本報告書はそこで交わされた議論を通して研究の成果としてまとめたものである。

まず、環境という視点から交通を取り巻く現状を認識し、関連する国内外の施策、事例等を収集し整理した。環境に配慮した交通に関連して様々な領域がある中で自動車の影響は大きく、その中でも個人所有の車の環境への影響は見逃せない。こうした視点から車の新しい使い方、車にかわる交通を中心に考えてきた。最後にこれまでの検討してきた段階で「エコ交通」の概念を整理し、今後の普及展開にむけた留意点をまとめた。

本研究を進めるに当たっては、先端的な国内外の事例調査を行った。巻末に最新の動向や施策を参考資料として添付した。

本研究では、概念整理等にとどまらず、より実際的で可能性のある部分に焦点をあてていきながら、先駆的で効果的な試みを見出し、普及のための諸方策も検討した。従って、今後はさらにエコ交通の概念を深めていく研究とともに、エコ交通の普及のための一端として実際に社会実験、施策の提案等を今後行っていくこととする。

 

 

 

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