4.2.3 荷主物流関係者に対する海上シフト促進について
トラック輸送中心の物流体系が抱える環境、労働環境問題については、近未来において必ずや解決を求められる課題であるが、荷主のトラック輸送に対する利便性の追求がこうした社会問題の解決を遅らせる方向に作用することは十分に窺える。すなわち、荷主側からみたトラック輸送と海上経由輸送との根本的な相違は、
1] 海上ルートを利用する場合、最終仕向け地の到着時間とフェリー発着時間の両者を考慮したスケジューリング
2] それに伴って発生するアイドル時間ならびにコスト増
にあるものと考えられる。
荷主の要求する利便性と輸送コストの優先順位については貨物種類、性状等により異なるものと考えられ、一概に言及することはできないが、単に輸送コスト(実勢レート※)のみの比較によれば海上ルート経由に優位性が窺える。(表4.2.1参照)