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4 炭酸ガス削減量及び新海上交通システム導入の費用対効果

 

4.1 新海上交通システム導入による炭酸ガス排出量削減調査

ここでは、輸送時(大分〜東京、志布志〜和歌山)におけるトラックと船舶からのCO2排出量の試算より、新海上交通システム導入による炭酸ガス削減効果の比較を行う。

4.1.1 CO2排出量換算係数の設定

CO2排出原単位とは、1トンキロメートルあたりの貨物輸送時に排出されるCO2の重量(g)を示すが、「環境と運輸・交通」(平成6年6月・財団法人 運輸経済研究センター)によれば、以下のとおりである。

 

表4.1.1 輸送機関別CO2排出量換算係数

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(資料:「環境と運輸・交通 環境にやさしい交通体系の形成を目指して」)

 

トラック輸送では、全国平均([1])と東京・北九州圏の地域間輸送([4])のCO2排出量換算係数が大きく異なるのは、[4]の値が輸送効率の高い2社からのヒアリングをもとに算出されたものであり、一般的には全国平均([1])に近いものであると考えられる。

また海上輸送については、本検討においては[3]または[5]で示されている船舶と比較して、航海速力30ノットの高速、高馬力機関を備えることを計画していることから、燃料消費量が増え、これに伴ってCO2排出量も必然的に大きくなるものと思われる。

そこで、本検討においては輸送機関別のCO2排出量換算係数について、「環境と運輸・交通」をもとに下記に示すとおり算出した値を使用するものとする。

(1) トラックのCO2排出量換算係数の算出

長距離トラック([4])、営業用トラック([1])および自家用普通トラック([2])のCO2排出量をもとに、特別積み合せトラック事業における中小企業割合(約80%)およびトラック輸送トンキロメートル分担率(営業用:自家用=75.7%:24.3%)より、次式により算出する。

なお、中小企業割合は「日本トラック協会資料」、またトラック輸送トンキロメートル分担率は「運輸省資料」による。

 

CO2排出量換算係数(g-c/t・km)=(20.4×0.2+48.3×0.8)×0.757+81.5×0.243=52.1g-c/t・km

 

 

 

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