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・情報化で郊外の雇用機会が増加するが、道路の渋滞はあまり変わらない

・技術的な開発もあまりなされず、公共交通の役割はあまり変わらない

3) シナリオ3(Community-Oriented Growth)

・交通を核にした都市計画の進展により、環境問題への対応、個人の健康向上等を含めて持続可能な都市が形成される

・環境問題に先駆的に対応する産業が発展

・軽量素材、ハイブリッドエネルギー、低公害・超低燃費の車が環境問題に貢献、ただし都市の混雑やスプロール化にはあまり貢献しない

・個人用の輸送システムが、都市の端に配置され利用される

・技術開発と土地利用の高度化で、2015年以後には自動車の輸送距離は減少し、公共交通の役割が急速に増大

・環境問題と社会性から、税金等のコストを払うことは一般的に意識される

4) シナリオ4(Reinventing the City)

・2050年までに、犯罪や大気汚染による政府の負担は重くなることが予想されるため、2020年代には米国でも西欧のような公共交通を重視した都市開発を行わなければならなくなる

・いくつかの新しい都市では、環境に係わる先進的技術と持続可能な地域デザインが重視され、これらの都市はネットワーク化される

・消費志向で個人主義的なライフスタイルは見直され、エネルギーコストの上昇もあって、巨大な家や車よりも、よりよいものの価値が重視される

・2020年以降は、交通が都市の高度な成長の主要なオーガナイザーとなり、2050年までには自動車の長い支配は終わり、公共交通など他の交通手段が黄金時代に入る

・公共交通等への投資は、混雑の解消、モビリティの向上、大気汚染による健康維持コストの低下、環境保護、エネルギーコストの維持、都市部の低収入層の集中抑制等、多くの社会問題に合致する手段と認識されるようになる

・2050年までには、交通手段に係わるインフラは、電池や燃料電池のスーパーバス、軽量のレールトレイン、個人用のPRTまで、多くの都市で幅広く整備される

・公共交通を中心とした交通輸送に係わる業界は、関連市場の拡大、国際的な組織間の連携や共同研究、高度な技術やメンテナンスの導入等で、新規参入企業や雇用者にも魅力的となる

・交通に関連した組織は連携し、2010年以降には公共交通等を中心とした開発のビジョンを共有するようになる

・このような連携を実施するために、全ての機能を有しているわけではないが地域は自立的に都市を計画するようになる

 

 

 

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